前営業日の米国市場の総括です。
為替を知るには株式市場、長期金利、商品市場の知識が必要になります。
相場の何故?を知ることで、トレードは優位になります。
たとえば米国株が値動きした理由を知る事で、明日のドル相場のヒントが得られるでしょう。
〖項目〗
1. 米長期金利/国債市場
2. 米株式
3. 米原油先物(オイル市況)
4. 米金先物(ゴールド市況)
5. VIX指数(恐怖指数)
6. 米為替市場 NY時間の為替概況
※他市場を知っていただきたいため、為替概況は最後に載せています
〔米長期金利/国債市場〕
16日の米国債券相場で長期ゾーンは3営業日ぶりに反落。表面利率4.000%の10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い(価格は安い)4.28%で終えた。1月米卸売物価指数(PPI)の上振れを受けて、米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測が後退すると売りが優勢となった。
【終値】
米2年債利回り:4.6565(+0.0825)
米10年債利回り:4.2949(+0.0649)
米30年債利回り:4.4482(+0.0396)
アメリカ国債利回り(期間はグラフ左上)
〔米株式〕
16日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落。終値は前営業日比145.13ドル安の38627.99ドルとなった。13日の1月米消費者物価指数(CPI)に続き、この日発表の1月米卸売物価指数(PPI)も予想を上回ったため、米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測が後退し、株売りが優勢となった。米長期金利の上昇で株式の相対的な割高感も意識された。市場では「3連休を前にポジション調整目的の売りが出た」との声も聞かれた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日ぶりに反落し、同130.51ポイント安の15775.66で取引を終えた。
〔米原油先物(オイル市況)〕
16日のニューヨーク原油先物相場は続伸。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)3月限の終値は前営業日比1.16ドル高の1バレル=79.19ドルとなった。1月の米卸売物価指数(PPI)が市場予想を上回る伸び率となると、ドル高を嫌気し原油先物の上値が抑えられる局面もあったが、中東情勢(イスラエル軍のガザ南部の病院突入、レバノン国境でのヒスボラとの交戦拡大など)を嫌気した原油先物買いが優勢となった。また、ロシアの反政権運動指導者ナワリヌイ氏が刑務所内で死亡したことにより、国際社会とロシアとの関係悪化も懸念材料となり原油の支えとなった。
〔米金先物(ゴールド市況)〕
16日のニューヨーク金先物相場は続伸。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心となる4月限は前営業日比9.2ドル高の1トロイオンス=2024.1ドルとなった。
堅調な動きを見せていた金先物だったが、1月の米PPIが市場予想より上振れると、米金利の上昇とドル高の影響で急落した。しかしながら、米金利の上げ幅が徐々に縮小すると、米国の3連休を前に安全資産とされる金先物への買い戻しの勢いが早くなり、続伸して引けた。PPI後に上昇したドルも、欧州通貨やオセアニア通貨を中心に弱含んだことで、ドルで取引される金先物が割安感となったことも下支えした。
〔VIX指数(恐怖指数)〕
16日のシカゴ・オプション市場(CBOE)でS&P500種株価指数オプションの値動きに基づいて算出される変動性指数(VIX、恐怖指数)は上昇。5時20分時点では14.10と前営業日の清算値14.01から0.09ポイント高い水準で推移している。
〔為替(ニューヨーク時間)〕
16日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは小幅ながら3日続伸。終値は1.0777ドルと前営業日NY終値(1.0772ドル)と比べて0.0005ドル程度のユーロ高水準となった。米労働省が発表した1月米卸売物価指数(PPI)が前月比0.3%/前年比0.9%と予想の前月比0.1%/前年比0.6%を上回り、食品とエネルギーを除くコア指数が前月比0.5%/前年比2.0%と予想の前月比0.1%/前年比1.6%より強い内容だったことが分かると、米長期金利の上昇とともにドル買いが先行。22時30分過ぎに一時1.0732ドルと日通し安値を付けた。
ただ、前日の安値1.0725ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが進んだ。市場では「米国の3連休を控えたポジション調整目的のドル売りが出た」との声も聞かれ、4時過ぎには一時1.0787ドルと日通し高値を更新した。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは米PPIの上振れを受けて一時104.67まで上昇したものの、4時30分前には104.17まで低下した。
ドル円は3営業日ぶりに反発。終値は150.21円と前営業日NY終値(149.93円)と比べて28銭程度のドル高水準だった。予想を上回る米PPIを受けて一時150.65円と日通し高値を付けたものの、13日の1月米消費者物価指数(CPI)後に付けた年初来高値150.89円がレジスタンスとして意識されると失速した。週末を控えたポジション調整目的のドル売りが出ると150.09円付近まで下押しした。
もっとも、日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いは出やすく、下押しも限定的だった。
ユーロ円は上昇。終値は161.82円と前営業日NY終値(161.52円)と比べて30銭程度のユーロ高水準。日銀の低金利政策が続くとの見方が強まる中、フランスやドイツの株価指数が史上最高値を更新するとリスク・オンの円売りが出た。4時過ぎには一時161.95円と日通し高値を更新した。また、ポンド円は一時189.52円、豪ドル円は98.26円、NZドル円は92.12円まで値を上げた。
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