前営業日の米国市場の総括です。
為替を知るには株式市場、長期金利、商品市場の知識が必要になります。
相場の何故?を知ることで、トレードは優位になります。
たとえば米国株が値動きした理由を知る事で、明日のドル相場のヒントが得られるでしょう。
〖項目〗
1. 米長期金利/国債市場
2. 米株式
3. 米原油先物(オイル市況)
4. 米金先物(ゴールド市況)
5. VIX指数(恐怖指数)
6. 米為替市場 NY時間の為替概況
※他市場を知っていただきたいため、為替概況は最後に載せています
〔米長期金利/国債市場〕
14日の米国債券相場で長期ゾーンは4営業日ぶりに反発。表面利率4.000%の10年物国債利回りは前営業日比0.06%低い(価格は高い)4.25%で終えた。足もとで相場下落が続いたあとだけに持ち高調整目的の買いが入った。グールズビー米シカゴ連銀総裁が「インフレが目標である2%に低下するまで利下げを待つべきではない」と話したことも買いを誘った。
【終値】
米2年債利回り:4.5736(-0.0842)
米10年債利回り:4.2652(-0.0491)
米30年債利回り:4.4453(-0.0175)
アメリカ国債利回り(期間はグラフ左上)
〔米株式〕
14日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。終値は前営業日比151.52ドル高の38424.27ドルとなった。前日に急落した反動で、ハイテク株や景気敏感株の一角に押し目買いが入った。市場では「米経済がソフトランディング(軟着陸)できるとの期待は根強く、押し目買いが入りやすかった」との声が聞かれた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、同203.55ポイント高の15859.15で取引を終えた。米長期金利が低下したことで、高PER(株価収益率)のハイテク株には買いが入った。
〔米原油先物(オイル市況)〕
14日のニューヨーク原油先物相場は8日ぶりに反落。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)3月限の終値は前営業日比1.23ドル安の1バレル=76.64ドルとなった。序盤は石油輸出国機構(OPEC)の月報が、石油需要の上振れの可能性を言及したことで原油先物価格は堅調に推移していた。しかしながら、米エネルギー省(EIA)が発表した石油在庫統計で、原油在庫が大幅な積み増しとなると、一転原油価格は下げに転じ8営業日ぶりに反落して引けた。
〔米金先物(ゴールド市況)〕
14日のニューヨーク金先物相場は5日続落。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心となる4月限は前営業日比2.9ドル安の1トロイオンス=2004.3ドルとなった。
昨日の米CPI発表後から米金利が高い水準を維持していたことで、金先物は一時昨年11月中旬以来となる2000ドルを割り込んだ。もっとも、徐々に米長期金利が前日比では低下したことで、金先物も下げ幅を縮小して引けた。
〔VIX指数(恐怖指数)〕
14日のシカゴ・オプション市場(CBOE)でS&P500種株価指数オプションの値動きに基づいて算出される変動性指数(VIX、恐怖指数)は低下。5時34分時点では14.54と前営業日の清算値15.85から1.31ポイント低い水準で推移している。
〔為替(ニューヨーク時間)〕
14日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは3営業日ぶりに反発。終値は1.0727ドルと前営業日NY終値(1.0709ドル)と比べて0.0018ドル程度のユーロ高水準となった。欧州市場では米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測の後退を背景にユーロ売り・ドル買いが優勢となり、一時1.0695ドルと昨年11月14日以来3カ月ぶりの安値を付ける場面があった。
ただ、デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁がECBの早期利下げに慎重な姿勢を示すと買い戻しが優勢に。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.24%台まで低下したこともユーロ買い・ドル売りを促し、2時前に一時1.0735ドルと日通し高値を付けた。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時104.66と日通し安値を付けた。
ドル円は3日ぶりに反落。終値は150.58円と前営業日NY終値(150.80円)と比べて22銭程度のドル安水準だった。前日の1月米CPIの上振れを受けて急伸した反動が出たほか、米長期金利の低下に伴う円買い・ドル売りが入り、3時過ぎに一時150.35円と日本時間夕刻に付けた日通し安値に面合わせした。ただ、日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いは出やすく、下押しも限定的だった。
ユーロ円は小幅ながら続伸。終値は161.53円と前営業日NY終値(161.48円)と比べて5銭程度のユーロ高水準。日本時間夕刻に一時160.96円と日通し安値を付けたものの、前日の安値160.79円がサポートとして働くと下げ止まった。米国株や日経平均先物の上昇を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ユーロ買いが優勢となり、取引終了間際に161.59円と日通し高値を更新した。
代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインはこの日も買いが優勢となった。対ドルでは一時5万2053ドル前後と2021年12月以来の高値を付けたほか、対円では782万円台と史上最高値を更新した。
ファンダメンタル分析によるFX投資は、Fundalia(ファンダリア)