前営業日の米国市場の総括です。
為替を知るには株式市場、長期金利、商品市場の知識が必要になります。
相場の何故?を知ることで、トレードは優位になります。
たとえば米国株が値動きした理由を知る事で、明日のドル相場のヒントが得られるでしょう。
〖項目〗
1. 米長期金利/国債市場
2. 米株式
3. 米原油先物(オイル市況)
4. 米金先物(ゴールド市況)
5. VIX指数(恐怖指数)
6. 米為替市場 NY時間の為替概況
※他市場を知っていただきたいため、為替概況は最後に載せています
〔米長期金利/国債市場〕
12日の米国債券相場で長期ゾーンは続伸。表面利率4.500%の10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は高い)3.94%で終えた。12月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回ると、米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測が再燃し債券買いが優勢となった。
【終値】
米2年債利回り:4.1399(-0.1052)
米10年債利回り:3.9559(-0.0099)
米30年債利回り:4.1993(0.0267)
アメリカ国債利回り(期間はグラフ左上)
〔米株式〕
12日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落。終値は前営業日比118.04ドル安の37592.98ドルとなった。12月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回り、米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測が再燃すると買いが先行したものの、その後失速した。JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴなど本日決算を発表した銘柄中心に利益確定目的の売りが集まると、指数は一時240ドル超下落した。市場では「3連休を前にポジション調整目的の売りが出た」との声も聞かれた。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅に6日続伸し、同2.58ポイント高の14972.76で取引を終えた。
〔米原油先物(オイル市況)〕
12日のニューヨーク原油先物相場は続伸。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)2月限の終値は前日比0.66ドル高の1バレル=72.68ドルとなった。米・英軍などによるイエメン親イラン武装組織フーシ派の拠点空爆で、重要な石油輸送ルートを抱える中東の緊張を意識した買いが強まった。昨年12月27日以来の高値75.25ドルまで一時上昇。ただ、その後は利益確定の売りが入り、上昇幅を縮小して週の取引を終えた。
〔米金先物(ゴールド市況)〕
12日のニューヨーク金先物相場は6営業日ぶりに大幅反発。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心となる2月限の終値は前営業日比32.4ドル高の1トロイオンス=2051.6ドルとなった。米・英軍などによるイエメン親イラン武装組織フーシ派の拠点空爆で中東の緊張が高まった。安全資産とされる金に買いが集まり5日以来、1週間ぶりの高値2067.3ドルまで一時上昇した。
〔VIX指数(恐怖指数)〕
12日のシカゴ・オプション市場(CBOE)でS&P500種株価指数オプションの値動きに基づいて算出される変動性指数(VIX、恐怖指数)は上昇。5時20分時点では12.52と前営業日の清算値12.44から0.08ポイント高い水準で推移している。
〔為替(ニューヨーク時間)〕
12日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続落。終値は144.88円と前営業日NY終値(145.29円)と比べて41銭程度のドル安水準となった。米10年債利回りが4.00%台まで上昇すると全般ドル買いが先行し、22時30分前に一時145.57円と日通し高値を付けたものの、すぐに失速した。米労働省が発表した12月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回ると、前日の12月米消費者物価指数(CPI)発表後に高まったインフレ警戒感が後退し、米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測が再燃。米長期金利の低下とともにドル売りが優勢となり、0時30分前に一時144.36円と日通し安値を更新した。米10年債利回りも一時3.91%台まで低下した。
ただ、10日の安値144.32円が目先サポートとして働くと下げ渋った。米10年債利回りが3.97%台まで低下幅を縮めたことも相場を下支えした。
ユーロドルは下落。終値は1.0951ドルと前営業日NY終値(1.0972ドル)と比べて0.0021ドル程度のユーロ安水準だった。22時過ぎに一時1.0936ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.0930ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。米PPIの下振れを受けて全般ドル売りが強まると、0時過ぎに一時1.0987ドルと日通し高値を付けた。ただ、3時前には1.0947ドル付近まで下押しした。NY市場では米長期金利の動向に左右されて、方向感に乏しい展開となった。
ユーロ円は続落。終値は158.66円と前営業日NY終値(159.41円)と比べて75銭程度のユーロ安水準。22時30分前に一時159.30円付近まで値を上げたものの、低調な米インフレ指標をきっかけにドル円が下落するとユーロ円にも売りが波及。23時30分前に一時158.55円と本日安値を更新した。
代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは大幅安となった。ビットコインの現物に投資する上場投資信託(ETF)が上場した前日には、対ドルで一時4万9021ドル前後と2021年12月以来の高値を付け、対円では714万円台と21年11月以来の高値を更新していた。ただ、本日は「材料出尽くし」として利食い売りなどが優勢に。対ドルでは一時4万3179ドル前後、対円では626万円台まで値を下げた。
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