経済指標の結果について考察します。
ドル相場&米国株の見通しについても述べます。
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背景&結果
アメリカのインフレ指標である消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)が発表されました。FRBは利下げに向かいつつありますが、利下げ開始がが近い将来なのか、2024年の半ば以降になるのか?今の論点になっています。このカギを握るのは、インフレ率になるでしょう。
非常に注目された中で、2つの指標が発表されました。
結果はCPIはやや強かったものの、PPIは非常に悪い結果となっています。
PPIのショッキングな結果で、米長期金利(2年債)は急落しました。
データを検証
米PPI発表(14日)前後の米2年債利回り
生産者物価指数(PPI)は工場など、業者から販売店への卸価格です。卸価格が安くなると、販売価格や値札(消費物価)も下がるようになります。その意味でPPIはCPIの先行指標とされ、1-3カ月ほど遅れて連動します。
前月比は、目先のモメンタム(勢い)が分かります。グラフを見るとダウントレンドになっているのが判るでしょう。インフレの勢いが弱まっていることが分かります。グラフはコア指数ですが、総合値には原油価格も含まれるため原油下落を織り込んだPPI前月は、マイナスに転落しました。(PPI12月は0.0%)
前年比は、ファンダメンタル分析でトレンドを探る時に重宝します。PPIが上昇するとCPIは連れて上がり、PPIが急落するとCPIは連れて下がります。PPIに明瞭なダウントレンドが観測でき、かつ今回のデータは弱さを加速させるほど悪かったです。(PPI12月は+1.8%)
将来のCPIはマイナスに働く可能性が高くなりました。もしかすると、想定以上に早くインフレ率が下がる可能性がある(利下げの早期化も期待できる)と分析できます。
ドル相場への影響
ドル円相場への影響を考えましょう。
PPIより注目されるCPIが強かったことで、ドルは前のめり(買い)となりました(深夜に利益確定でドルは下げてたが)。強い雇用統計と併せて「ドル高が続く公算」が高くなったとマーケットで考える者も多い様子でした。今回、前のめりになったタイミングでカウンターを入れられた為、いつも以上に値下がり余地があった訳です。
昨日、インフレ期待でドルを買った投資家は多かったはずです。個人投資家もそうですが、機関投資家やファンド等プロでもそうだったでしょう。そこにこのPPIですから、狼狽売り(パニックセル)する投資家も多かったはずです。
今回のPPIは、少し過熱気味だった「FRBのターミナルレート長期化思惑」に一石を投じています。つまり、ファンダメンタルが修正されたため、価格も修正されるはずでしょう。かなり調整されることになるかも知れません。
参考になさってください。
個人投資家がFXを、着実に上達させたいなら、
ファンダメンタル分析を学びましょう。
相場観が見えるようになることは、一歩先へ進む
道標になります。