前営業日の米国市場の総括です。
為替を知るには株式市場、長期金利、商品市場の知識が必要になります。
相場の何故?を知ることで、トレードは優位になります。
たとえば米国株が値動きした理由を知る事で、明日のドル相場のヒントが得られるでしょう。
〖項目〗
1. 米長期金利/国債市場
2. 米株式
3. 米原油先物(オイル市況)
4. 米金先物(ゴールド市況)
5. VIX指数(恐怖指数)
6. 米為替市場 NY時間の為替概況
※他市場を知っていただきたいため、為替概況は最後に載せています
〔米長期金利/国債市場〕
22日の米国債券相場で長期ゾーンは横ばい。表面利率4.500%の10年物国債利回りは前営業日と同じ3.89%で終えた。米物価指標の下振れを受けて早期利下げ観測が高まると買いが先行したものの、クリスマス休暇を控えたポジション調整目的の売りが出ると失速した。
なお、本日はクリスマスの前営業日で短縮取引だった。
【終値】
米2年債利回り:4.3231(-0.0243)
米10年債利回り:3.8950(+0.0069)
米30年債利回り:4.0493(+0.0190)
アメリカ国債利回り
〔米株式〕
22日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。終値は前営業日比18.38ドル安の37385.97ドルとなった。米物価指標の下振れを受けて早期利下げ観測が強まると株買いが入ったものの、決算内容が嫌気されたナイキが急落し1銘柄でダウ平均を84ドルほど押し下げると下げに転じた。クリスマス休暇を控えたポジション調整目的の売りも出た。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、同29.10ポイント高の14992.97で取引を終えた。
〔米原油先物(オイル市況)〕
22日のニューヨーク原油先物相場は続落した。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)で2月限の終値は前営業日比0.33ドル安の1バレル=73.56ドルとなった。引き続き紅海周辺での商船攻撃に伴うエネルギー供給混乱への警戒感が支えに買いが先行したが、連日米経済指標のさえない結果が目立ち、景気減速への懸念も重しに失速した。
〔米金先物(ゴールド市況)〕
22日のニューヨーク金先物相場は続伸した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心となる2月限は前営業日比17.8ドル高の1トロイオンス=2069.1ドルとなった。米11月PCEデフレーターが予想を下回り、米連邦準備理事会(FRB)が来年の早い段階で利下げに踏み切るとの思惑が強まり、金利を生まない金は買いが優勢となった。
〔VIX指数(恐怖指数)〕
22日のシカゴ・オプション市場(CBOE)でS&P500種株価指数オプションの値動きに基づいて算出される変動性指数(VIX、恐怖指数)は低下。5時30分時点では13.24と前営業日の清算値13.65から0.41ポイント低い水準で推移している。
〔為替(ニューヨーク時間)〕
22日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに反発。終値は142.41円と前営業日NY終値(142.12円)と比べて29銭程度のドル高水準だった。11月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)が前年同月比2.6%と予想の2.8%を下回り、変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターが前年比3.2%上昇と予想の3.3%を下回ると、米連邦準備理事会(FRB)が2024年に利下げに踏み切るとの期待が高まり円買い・ドル売りが先行。23時過ぎには一時141.89円付近まで下押しした。
ただ、アジア時間に付けた日通し安値141.87円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。米長期金利の指標となる米10年債利回りが上昇に転じ、3.9193%前後まで上昇すると円売り・ドル買いがさらに強まり、一時142.66円と日通し高値を付けた。
もっとも、200日移動平均が位置する142.77円を上抜けることは出来なかった。昨日NY時間の高値142.98円や節目の143.00円もレジスタンスとして意識された。
ユーロドルは小幅続伸。終値は1.1014ドルと前営業日NY終値(1.1011ドル)と比べて0.0003ドル程度のユーロ高水準だった。米耐久財受注額が予想を上回ったことを受けて一時1.1002ドル付近まで売られたものの、米物価指標の下振れで米インフレの鈍化が再確認されると一時1.1040ドルと8月10日以来の高値を更新した。ただ、米長期金利が上昇に転じると上値が重くなり、2時過ぎには1.1000ドル付近まで押し戻された。
もっとも、NY市場に限れば値幅0.0040ドル程度のレンジ取引に終始した。来週のクリスマスに伴い長期休暇を取る参加者も多く、商いは低調。大きな方向感が出にくい面もあった。
ユーロ円は3日ぶりに反発。終値は156.84円と前営業日NY終値(156.46円)と比べて38銭程度のユーロ高水準。しばらくは156円台半ばでのもみ合いが続いていたものの、米国株相場が底堅く推移すると円売り・ユーロ買いがじわりと強まった。2時前に一時156.99円と本日高値を更新した。
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