〔日本〕BOJ政策金利 事前考察&円相場 | ファンダメンタルなアウトローのFX

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確保する」ことです。個人投資家にはファンダメンタル
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個人がFXで勝てる時代が到来です!

ファンダメンタル分析の視点で事前考察しました。

円相場に関しても、見通しを書いていますので、参考にどうぞ。

 

投資判断は、ご自身の責任で行ってください。

Fundalia(ファンダリア)

 

 

 

 

背景

日本銀行(以下日銀)は、10/31にBOJ政策金利を発表します。

日本経済(=ファンダメンタル)は、2022年より好調を維持しており、日経平均株価が30,000円を大きく超えました。バブル崩壊以降、最も好景気になったと言え、インフレ率も今世紀で最も強くなっています。

 

こうした状況は、日銀がタカ派に動く契機ともなっており、今日のBOJ政策金利でも何らかのアクションが期待されています。マーケットは思惑で意見が割れており、内容によって円相場は大いに動機づくでしょう。

 

非常に注目されます。

 

 

 

また、昨夜にはこの様な報道もあります。日銀が意図的にリークした可能性があるため、長期金利の上限を高める伏線となっているかも知れません。状況や動機から考えると、十分にあり得る話です。1%を超える事はタカ派的にですが、1.25%くらいまでなら既に(円相場に)織り込まれている可能性があります。

 

 

 

 

マイナス金利は説明がつきにくくなっている

 

日本はインフレターゲット政策を導入しています。CPIコアコア(前年比)に対し+2.0%になるようインフレ率を調整する使命を日銀は負っています。現在は+4.0%に近い高水準ですから、高すぎるインフレ率を下げる努力(利上げ)が必要となります。

 

しかし、現在の日銀はマイナス金利(インフレを助長する政策)を取っています。これは使命に対して整合性がとれません。これを是正する行動をとるか否かが、今回の論点になるでしょう。

 

 

そのために、次の事を考える必要があります。

 

 

インフレ動向は、この図解で説明できる。

 

 

消費が強いと、需給が引き締まる(需要が強くなる)ためモノ不足となり、インフレが発生します。これを需給インフレと言います。

次にモノ不足になると、企業は商機と考えて生産を増やし、雇用を増やします。雇用が増えれば消費が増えますから、さらに需要が強くなるサイクルが生まれます。これが一般に言う好景気ですね。

 

好景気になり人手不足が生じると、企業は待遇(賃金)を上げて人材流出を防ごうとします。すると賃金が上がり、消費者はより消費を強めるためさらにインフレが進みます。

 

お分かり頂けると思いますが、話の出発点は「消費」なのです。消費が強くならないと好景気に至るサイクルが回りません。ゆえに消費データを観察する事には意味があるとなるでしょう!

 

 

 

日本経済は20年にもなるデフレを経験しました。

その影響は薄れつつありますが、日本国民の心理(デフレマインド)が強く残ります。利上げによるアレルギーで、需給ひっ迫によるインフレ、少し改善した賃金上昇によるインフレが失速しかねません

 

すでに経済学というより、心理学に近い考え方で判断する必要があると思われます。実際、植田BOJ総裁はこの点を危惧していると想定されます。もし、失速してまたデフレ経済に戻ったらどうなるでしょう?日本は経済大国の地位から滑り落ちる可能性さえあります。

 

日銀はこの点を、目先のインフレターゲットより重視しているように思います。

日銀というより政府も含めた、政治指導部がそう考えているのでしょう。

 

 

 

円相場の予想&影響

今回、日銀が採り得る選択肢は4つあります。

 

1.据え置きで何もしない

2.長期金利の上限(黙認幅)を1.25%へ高める

3.長期金利の上限(黙認幅)を1.50%へ高める 【タカ派】

4.マイナス金利を解除し0%とする(=利上げ) 【タカ派】

 

おそらく、1か2を選択するでしょうが、もしも3か4を選択した場合はタカ派として投資家に理解され、タカ派による円高になるでしょう。日米金利差は縮小しドル/円は急落することになります。3か4は実行せずとも、近未来での実行を示唆するだけでもタカ派になります。

 

2002年以来の金融政策の大転換ですから、騒ぎになるはずです。

長期金利の上限を「1.50%」に設定するまではあり得る話です。確率が低いが、あっても不思議はないでしょう。

 

 

あと、インフレターゲットなど金融政策について、長期的な検討作業を行うと以前に植田BOJ総裁が述べていましたが、この点についても動きがあるかも知れません。ただ値動きにはあまり影響しないと思われます。

 

小さな動きしか見せない可能性が対為、

今回は、発表後に円売りになる可能性が高めと予想しています。選択肢によって答えは急変しますから、内容をよく確認する必要があるでしょう。

 

ご参考になさってください。

 

 


個人投資家には、ファンダメンタル分析が必要だ!

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