PCEデフレータ結果考察 ~膨らんできたエネルギーインフレのリスク | ファンダメンタルなアウトローのFX

ファンダメンタルなアウトローのFX

FXトレードの勝ち筋は「勝率を追うのでなく、優位性を
確保する」ことです。個人投資家にはファンダメンタル
分析が必要な時代になりました。AI技術も活用して、
個人がFXで勝てる時代が到来です!

経済指標の結果やドル相場の動きについて考察を致します。

なお、情報はご自身で判断・責任で利用なさってください。

 

Fundalia(ファンダリア)

 

 

 

 

 

 

背景および結果

今回、PCEコアデフレータの下落がトレンド通り進むのか?という点と、原油高騰がインフレ再燃に繋がるのか?という点が注目点でした。

 

結果はどちらの兆候も見られる結果となりました。PCEデフレータ(原油を含む)はやや強めの結果になり、PCEコアデフレータ(原油を除外)はトレンド通り下落を示唆しています。つまり、ドル高ドル安共に材料があったと言えるでしょう。

 

ではどちらが強いかという話になります。

原油高はPCEデフレータに影響していましたが、多少強まったという程度でした。一方で、PCEコアデフレータの減速は、FRBが利上げを思いとどまるかも知れない可能性を秘めたデータでした。加えて四半期末によりポジション調整も加わるため、ドルは下げ要因の方が強そうです。

 

事前考察にも書いた通り、引き分けならドル売りというなりました。

ただし、原油高騰によるインフレ再燃のリスクは明瞭に示唆されているため、中長期の視点で考えると利上げ要因が増えています。よって、いつまでもドル売りにはならないかも知れません。

 

 

 

下記linkは、発表前に投稿したブログ記事です。おおよそ、当たっていたと思います。答え合わせに、ご覧になってください。

 

 

 

 

 

 FRBが利上げする要因は徐々に削れている

 

※実質金利の計算は、「フレッチャーの公式」によらない簡易的なものとなっています

 

 

FRBによる利上げは、あと1回あるとされています。

今回のPCEデフレータから、FRBの決断に対してどういった読みができるでしょうか?

 

まず重要なのは実質金利で、暫定値ながらついに1%の壁を超えました。インフレ率より金利が高いため、消費から貯蓄・投資へマネーが動きやすくなります(投資した方が得になる)。よって消費は減少し、インフレは更に下がりやすくなるでしょう。おそらくFRBの見込み通りではないでしょうか。

今回の計算では、PCEコアデフレータで計算しても実質金利はプラスに転じました。また1つ、FRBが利上げをする根拠が消滅したことになります。

 

しかし、1つ考慮が必要です。

実質金利は上昇したものの、元となるデータのインフレ率および長期金利は上昇しています。つまり絶対値が高い状況です。原油価格高騰による、インフレ再燃の兆しが見て取れます。PCEコアデフレータには少し遅れて反映されますから、来月の発表値あたりから上昇に転じるかも知れません。

 

大きなリスク要因として横たわっています。

 

 

PCEデフレータ発表後(1時間後)の金利織り込み状況

 

発表後、利上げ予測はやや後退しました。

機関投資家やヘッジファンドの間では、あと1回の利上げがある確率が減ったとなっています。プロ達は利上げに対してネガティブな意見を抱いたようですね。

 

この点も併せて理解しておくと良いでしょう。

 

 

 

ドル相場の動き

発表を受けて、目先の値動きはドル安に向いています。弱いイメージのPCEコアデフレータに、四半期末であるためドルは利益確定の対象となるでしょう。しかし、一方で原油高を踏まえたタカ派投資家達がドル買い要因と認知している部分もあります。

 

事前考察の予測は当たったと思いますが、

イレギュラー要因が存在することも踏まえる必要があるでしょう。相場の意見が集約するのを見守る必要があると思います。

 

2024年も、かなり長期にわたりFRBが高金利を維持する流れが続くならば、長期的なドル相場はアップトレンドになります。機関投資家は、来年春ころに利下げが始まると踏んでポジションを組んでいますが(上記図参照)、これが来年末まで利下げに動かない流れとなれば、ドルは当然買われます。

 

 

そうなれば、為替介入に備えつつドル買いが推奨されるでしょう。

なかなか難しい相場観となっています。

 

 

Fundalia(ファンダリア)