前営業日の米国市場の総括です。
為替を知るには株式市場、長期金利、商品市場の知識が必要になります。
〔米株式〕
26日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。終値は前営業日比228.96ドル安の33301.87ドルとなった。決算内容が好感されたマイクロソフトが大幅高となり指数を押し上げたものの、買い一巡後は徐々に上値が重くなった。米地銀ファースト・リパブリック・バンク(FRC)の経営不安が再燃し、上昇していた他の地銀株も下落。ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど大手金融にも売りが波及し、相場全体を押し下げた。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、同55.19ポイント高の11854.35で取引を終えた。マイクロソフトの決算が好感されてハイテク株には買いが入った。
〔米長期金利/国債市場〕
26日の米国債券相場で長期ゾーンは3営業日ぶりに反落。表面利率3.500%の10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い(価格は安い)3.45%で終えた。米地銀の経営や米債務上限問題など米経済を巡る不透明感を背景に債券買いが入った半面、好調な企業決算を手掛かりに債券売りが出たため反落して引けた。
米国債利回り(NY時間16:31)
2年債 3.932(-0.022)
10年債 3.441(+0.041)
30年債 3.702(+0.044)
期待インフレ率 2.270(+0.021)
※文章とデータを抜いた時間が異なる為、少し食い違う場合があります
〔米原油先物(オイル市況)〕
26日のニューヨーク原油先物相場は続落。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)6月限の終値は前営業日比2.77ドル安の1バレル=74.30ドルとなった。米地銀ファーストリパブリック銀行株が再び急落し、反発して始まったダウ平均が一時290ドル超下落した。金融不安による景気先行きへの不透明感が高まり、原油先物は売りが優勢となった。米エネルギー省(EIA)が発表した週間石油在庫では、原油在庫が大幅な減少となったことで一時買い戻しが入る場面もあったが、引けにかけては再び米株が弱含んだことで、原油先物も下げ幅を広げ続落して引けた。
〔米金先物(ゴールド市況)〕
26日のニューヨーク金先物相場は3営業日ぶりに反落。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心となる6月限は前営業日比8.5ドル安の1トロイオンス=1996.0ドル。
米地銀ファーストリパブリック銀行株が再び急落したこともあり、反発して始まったダウ平均が下落した。リスク回避の動きが強まると、安全資産とされる金先物に買いが集まった。しかし、徐々に米株が買い戻され、米金利も上昇に転じたことで、金先物は一転下げに転じ反落して引けた。
〔VIX指数(恐怖指数)〕
26日のシカゴ・オプション市場(CBOE)でS&P500種株価指数オプションの値動きに基づいて算出される変動性指数(VIX、恐怖指数)は上昇。4時31分時点では19.14と前営業日の清算値18.76から0.38ポイント高い水準で推移している。
〔米為替市場〕
26日のニューヨーク外国為替市場でドル円は小幅続落したものの、総じて不安定な値動きだった。終値は133.67円と前営業日NY終値(133.76円)と比べて9銭程度のドル安水準。米10年債利回りが3.43%台まで上昇したことをきっかけに円売り・ドル買いが先行。21時30分過ぎに一時133.94円と日通し高値を付けた。ただ、「米政府は米地銀ファースト・リパブリック・バンク(FRC)の救済について、現時点では消極的」との報道が伝わると、米金融システム不安再燃への警戒から一転売りが優勢に。米10年債利回りが低下に転じたことも相場の重しとなり、23時30分前には133.02円と日通し安値を更新した。
節目の133.00円手前では買い戻しが入ったほか、米10年債利回りが3.45%台まで上昇したことを受けて133.88円付近まで持ち直す場面もあったが、日通し高値133.94円目前で失速。「FRCは米連邦準備理事会(FRB)貸出へのアクセスを制限される可能性」との一部報道が伝わり、ダウ平均が290ドル超下落したことも相場の重しとなり、133.48円付近まで押し戻された。
なお、市場では「明日の1-3月期米国内総生産(GDP)速報値や28日の3月米個人消費支出(PCE)などの米重要指標の発表を控えているほか、27-28日の日銀金融政策決定会合を前に、様子見ムードが強く神経質な動きとなった」との声が聞かれた。
ユーロドルは反発。終値は1.1041ドルと前営業日NY終値(1.0973ドル)と比べて0.0068ドル程度のユーロ高水準だった。欧州時間発表の独仏消費者信頼感指数の上振れを手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行。22時30分前に一時1.1095ドルと昨年3月31日以来約1年1カ月ぶりの高値を更新した。米地銀の経営や米債務上限問題など米経済を巡る不透明感が強まっていることもドル売りを促した。
ただ、買い一巡後は上値が重くなった。欧州株安やダウ平均の失速でリスク・オフのドル買いが入ったほか、米長期金利が上昇に転じたことが相場の重しとなり、1.1032ドル付近まで下押しした。
ユーロ円も反発。終値は147.60円と前営業日NY終値(146.78円)と比べて82銭程度のユーロ高水準だった。20時30分過ぎに一時147.91円と日通し高値を付けたものの、NY市場に入ると147.50円を挟んだレンジ取引に終始した。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は方向感が出なかった。
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