前営業日の米国市場の総括です。
為替を知るには株式、長期金利、商品市場の知識も必要になります。
〔米株式〕
17日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。終値は前営業日比100.71ドル高の33987.18ドルとなった。米経済指標の上振れを受けて米景気の悪化懸念が和らぐと、景気敏感株の一角に買いが入った。ただ、市場の関心は今週本格化する米企業決算に集まっており、積極的に上値を試す展開にはならなかった。指数は下げに転じる場面もあった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反発し、同34.25ポイント高の12157.72で取引を終えた。
〔米長期金利/国債市場〕
17日の米国債券相場で長期ゾーンは3日続落。表面利率3.500%の10年物国債利回りは前営業日比0.09%高い(価格は安い)3.60%で終えた。米経済指標の上振れを受けて米景気の悪化懸念が和らぐと、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。利回りは一時3.6042%前後と3月29日以来の高水準を付けた。
米国債利回り(NY時間16:32)
2年債 4.190(+0.091)
10年債 3.595(+0.082)
30年債 3.806(+0.071)
期待インフレ率 2.310(+0.006)
※文章とデータを抜いた時間が異なる為、少し食い違う場合があります
〔米原油先物(オイル市況)〕
17日のニューヨーク原油先物相場は反落した。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)で5月限の終値は前営業日比1.69ドル安の1バレル=80.83ドルとなった。
良好な米経済指標が続くと米金利が上昇幅を拡大し、為替ではドル高が進んだ。ドル建てで取引される原油先物は割高感が生じたため売り優勢となった。先週末に支えられた81ドル後半を下抜けると持ち高調整の売りが断続的に持ち込まれ、一時80ドル半ばまで売り押された。
〔米金先物(ゴールド市況)〕
17日のニューヨーク金先物相場は続落した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心となる6月限は前営業日比8.8ドル安の1トロイオンス=2007.0ドルとなった。4月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が市場予想を大きく上回ったことが分かると、米金利上昇や為替のドル高進行とともに金への売り圧力が強まった。節目の2000ドルを割り込み、1993ドル手前まで下げ足を速めた。もっとも一巡後は値ごろ感から買いが優勢となり、下げ幅を縮小して終えた。
〔VIX指数(恐怖指数)〕
17日のシカゴ・オプション市場(CBOE)でS&P500種株価指数オプションの値動きに基づいて算出される変動性指数(VIX、恐怖指数)は低下。4時31分時点では16.98と前営業日の清算値17.07から0.09ポイント低い水準で推移している。
〔米為替市場〕
17日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は134.47円と前営業日NY終値(133.79円)と比べて68銭程度のドル高水準だった。4月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が10.8と予想の▲18.0を大きく上回り、4月NAHB住宅市場指数が45と予想の44をやや上回ったことを受けて、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが進行。24時前に一時134.57円と3月15日以来約1カ月ぶりの高値を付けた。米長期金利の指標である米10年債利回りは一時3.6042%前後と3月29日以来の高水準を付けた。
一目均衡表雲の上限134.48円を超えたところでは買いの勢いは弱まったものの、下押しは134.39円付近にとどまった。
ユーロドルは続落。終値は1.0926ドルと前営業日NY終値(1.0992ドル)と比べて0.0066ドル程度のユーロ安水準だった。欧州市場序盤に一時1.1000ドルと日通し高値を付けたものの、買い一巡後は上値が重くなった。米経済指標の上振れを受けて、米景気の悪化懸念が和らぐと米長期金利が上昇。欧米金利差の拡大を見込んだユーロ売り・ドル買いが優勢となり、23時30分過ぎに一時1.0909ドルと日通し安値を更新した。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時102.23まで上昇した。
ユーロ円は8営業日ぶりに小反落。終値は146.92円と前営業日NY終値(147.04円)と比べて12銭程度のユーロ安水準。ユーロドルの下落につれた売りが出て一時146.67円と日通し安値を付けたものの、ドル円の上昇につれた買いも入ったため、下値は限定的だった。
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