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〔米株式〕
28日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に続落。終値は前営業日比491.27ドル安の30946.99ドルとなった。アジアや欧州の株式相場が上昇した流れを引き継いで買いが先行。取引開始直後に440ドル超上昇する場面があった。ただ、6月米消費者信頼感指数や6月米リッチモンド連銀製造業景気指数が予想より弱い内容だったことが分かると一転売りが優勢に。引けにかけて下げ幅を拡大し一時500ドル超下げた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も大幅続落し、同343.01ポイント安の11181.54で取引を終えた。
〔米長期金利/国債市場〕
28日の米国債券相場で長期ゾーンは3営業日ぶりに反発。表面利率2.875%の10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は高い)3.17%で終えた。欧州債相場が下落すると米国債にも売りが波及したものの、6月米消費者信頼感指数が予想を下回り、2021年2月以来の低水準を記録すると買い戻しが進んだ。米国株が下げに転じたことも安全資産とされる米国債の買いを促した。
米2年債利回り:3.1096(-0.0116)
米10年債利回り:3.181(-0.0187)
米30年債利回り:3.2857(-0.0262)
【国債の基礎知識】
債券(国債)買いが入ると、長期金利は低下する。債券価格と長期金利は反相関している。なお、文面での売り買いは債券について述べている。文面は、長期金利ではなく債券価格の解説となっている。
〔米原油先物〕
28日のニューヨーク原油先物相場は大幅に3日続伸した。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)で8月限の終値は前営業日比2.19ドル高の1バレル=111.76ドルとなった。
マクロン仏大統領が、アラブ首長国連邦(UAE)首脳の話として、同国とサウジアラビアに増産余地があまり無いことをバイデン米大統領に伝えたことが報じられた。追加増産の拡大期待が後退し、原油相場は買いが優勢となった。一時112.20ドル台に乗せる場面もあった。
〔米金先物〕
28日のニューヨーク金先物相場は続落した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心となる8月限は前営業日比3.6ドル安の1トロイオンス=1821.2ドルとなった。為替相場でドルが対ユーロで買い優勢となると、ドル建ての金は割高感から上値の重い展開に。6月米消費者信頼感指数や同月リッチモンド連銀製造業景気指数が市場予想を下回ると、安全資産とされる金に買いが入るも反発力は強まらなかった。
〔VIX指数(恐怖指数)〕
28日のシカゴ・オプション市場(CBOE)でS&P500種株価指数オプションの値動きに基づいて算出される変動性指数(VIX、恐怖指数)は上昇。4時36分時点では28.34と前営業日の清算値26.95から1.39ポイント高い水準で推移している。
〔米為替市場〕
28日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3日続伸。終値は136.14円と前営業日NY終値(135.46円)と比べて68銭程度のドル高水準だった。米10年債利回りが一時3.25%台まで上昇したことをきっかけに円売り・ドル買いが先行。22時前に一時136.32円まで値を上げた。この日発表の6月米消費者信頼感指数や6月米リッチモンド連銀製造業景気指数が予想よりも弱い内容だったことが分かると、136.05円付近まで売られる場面もあったが、日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いは根強く下押しは限定的だった。4時前には一時136.38円と日通し高値を更新している。
ただ、22日に付けた1998年10月以来約24年ぶりの高値136.71円がレジスタンスとして意識されたため、積極的に上値を試す展開にはならなかった。米10年債利回りが低下に転じたことも相場の重し。
ユーロドルは3営業日ぶりに反落。終値は1.0519ドルと前営業日NY終値(1.0584ドル)と比べて0.0065ドル程度のユーロ安水準だった。欧州時間に強まったユーロ売り・ドル買いの流れがNY時間に入っても継続した。市場では「月末・期末に向けてのドル需要の高まりが意識される」との声が聞かれ、一時1.0504ドルと日通し安値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時104.61まで上昇した。
なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁はこの日、ECB年次フォーラムで「7月にまず0.25%利上げする意向を再確認」「インフレ抑制に必要な場合には、より踏み込んだ行動を取る用意がある」など発言。ECBが検討している債券買い入れプログラムについては「ユーロ圏の利回り格差の無秩序な拡大を抑制する」と表明した。
ユーロ円も3日ぶりに反落。終値は143.19円と前営業日NY終値(143.39円)と比べて20銭程度のユーロ安水準。欧州市場では一時144.28円と日通し高値を更新したものの、NY市場に入ると次第に上値が重くなった。一時は440ドル超上昇したダウ平均が失速し500ドル超下落したことが相場の重しとなり、143.10円付近まで下押しした。ユーロドルの下落につれた売りも出た。