〔米国〕今夜発表のPCEデフレータ 【事前見解】 | ファンダメンタルなアウトローのFX

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FRBがインフレ目標(ターゲット)を2%に据えているのは有名ですが、その2%とは「PCEデフレータ(前年比)」

 

 

今夜、米・PCEデフレータが発表されます。正確には、様々な指標が発表されるため消費統計と呼んでも良いでしょう。ファンダメンタル分析で、雇用統計と並んで重要なイベントです。とくにPCEデフレータは、FOMCで利上げを決定する際の基本データになるため、必ず確認すべきです。

 

先日発表された米消費者物価指数(CPI)は、+8.3%と2カ月続けて8%を上抜け、米インフレ率の強さが意識されています。とはいえ、住宅市況の悪化により住宅価格が下落する予測もあり、最近ではウォルマートなど消費系大手の決算が悪かったりなど、インフレ率がピークアウトする雰囲気がが感じられます。それを踏まえての発表です。

 

どれだけ強い水準か一目瞭然だろう

 

 

 

今回、PCEデフレータ(インフレ率)が騰落する要因を整理しました

 

1つめは、世界経済の減速です。

4月にIMFは世界経済見通しを発表しました。IMFは世界経済の大規模な成長減速を示唆しています。インフレ高騰や各国の利上げにより、経済の勢いは止められ、さらにウクライナ戦争の影響等も踏まえて経済が悪くなると試算しました。経済が悪くなれば、インフレ率は鈍化します。

 

2つめは、米住宅市場の鈍化です。

既に3月頃から住宅が売れなくなっているため、住宅価格の影響がインフレ率に反映されてもおかしくありません。CPIには全く表現されていませんでしたが、PCEデフレータの方が感度が良いため反映する可能性があります。個人消費支出も含めて、思ったほど良くないデータになる可能性があるでしょう。

 

3つめは、中国ロックダウンの影響です。

上海市がロックダウンし、かなり長い期間になりました。中国での物流停滞はインフレ要因にも働きますが、経済減速によるインフレ率鈍化要因にもなります。5月中旬頃からロックダウンの影響は除外されつつあり、6月以降のデータに影響する可能性はあります。ただし、今回は4月分のデータですので、弱含み材料になるでしょう。とくに原油需要の鈍化から原油価格の下落に影響力がありました

 

4つ目は、利上げの影響です。

FOMCでの利上げは、利上げによりダウ平均など株価にも悪影響がでています。株価急落は、個人資産の減少を意味しますから、個人消費の下方圧力要因です。株価急落で資産が急減している時、消費意欲が上がるはずもありません。インフレ率により生活が苦しくなり消費減衰、それがインフレ下落に反映される可能性もあります。

 

 

インフレ率にとって分岐点を迎えつつあります。

強いデータが出る可能性、弱いデータになる可能性ともにある中での発表となるでしょう。また、米国は週末に3連休で、かつ金曜日は債券市場が短縮取引など半休日です。PCEデフレータ発表で相場が一巡すると、流動性(=取引量)が一気に低下します。特殊要因にも注意しましょう。

 

 

 

Fundalia(ファンダリア)

 

 

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