〖背景と結果〗
アメリカ経済の景気減速、住宅市況の悪化がテーマとなっている中で発表となりました。
結果は、非常に悪いデータとなっています。一気に60万件を割り込む販売件数まで落ち込みました。コロナショック後は一時90-100万件まで増加していたものが、住宅価格の高騰に加えて金利ローンの高騰により購入意欲が減衰しつつあります。ただ、住宅の平均価格は上昇を続けている事も確認されています。
売れなくなれば、住宅価格が下がるものですが今のところ兆候は見られません。月末発表のケース&シラー住宅価格指数のデータ待ちとなります。
〖時系列データ〗
どれだけ新築住宅販売件数が悪化しているのか?
この図を見れば一目瞭然です。過去の金融危機の多くは住宅販売の悪化がきっかけで発生しています。代表例がリーマンショックなのは有名です。そういった危機に至る可能性があるデータ推移になっている事を理解しておきましょう。他の住宅指標もよく似た動きをしています。
ショッキングな結果だったと言えます。
〖ドル相場への影響〗
発表後はドルが急落しました。この動きは一過性のもので、悪いデータに単純に反応しただけでしょう。しかし、もっとファンダメンタル分析として考えると、この先をよく考える必要があります。
果たして、FRBはこのデータを見て利上げのペース(量的引締め(QT)も含めて考える)を緩める等の示唆をするかという問題です。FRBが利上げペースを緩める気配を見せれば、ドル相場は暴落が確実となります。このシナリオになる可能性は少しあるでしょう。一方、FRBは全く揺らがずに利上げ路線を押し続けるならば、ドル買いはFOMCに向けて起こると想定されます。
猛烈なインフレ率と、急激に冷めつつあるアメリカ経済・景気。どの時点で対応を変化させるのかによりドル相場もまた変化していくでしょう。為替相場はテクニカルで動いている訳ではない事も、含めて相場観を確認してみてください。
Fundalia(ファンダリア)