オークンの経験則とは、ファンダメンタル分析に使える経済理論の1つで、「GDPと失業率の関係性」について説明できる経験則です。一般にはオークンの法則と呼ばれる事の方が多いです。FXトレード(相場予想)でも役に立つ知識ですので、知っておくと便利でしょう。
オークンの経験則 画像はWikipediaより引用
縦軸:GDP 横軸:失業率
オークンの経験則は、「失業率1%上昇(悪化)すれば、GDPは3%下がる(悪化する)」あるいは、「GDPが1%上昇すれば、失業率は0.55%下がる(改善する)」と言ったように、GDPと失業率のデータ的な連動性を証明したものです。つまりデータから導き出された経験則です。
厳密には、潜在GDPよりGDPが1%上昇すれば、失業率は0.55%改善するというように、潜在GDPとの比較値が用いられます。
失業率とGDPの変動割合も、国や経済状況、時期によって異なります。黄金比のようなものはありません。近年の米国の場合、「失業率が1%上昇(悪化)する度、潜在GDPは2%下落する」と言われているそうです。
〖オークンの経験則のFX活用法〗
経験則に基づくデータがあると、FXトレードに役立てることができます。
雇用統計は毎月発表されますが、GDPは四半期ごとの発表となりデータ取得がかなり遅くなります。そこで雇用統計のデータを基に推計することができます。遅れて出てくるデータの見通しをもって相場予想に役立てることが出来るでしょう。
たとえば、毎月発表される失業率を3ヵ月移動平均線でグラフ化します。
その失業率を動きを見れば、経済成長率(GDP)を推計できるわけですから相場のトレンドも推計可能です。経済成長率が改善されれば、原則として金利は上昇します。金利が上昇すれば、その国の通貨は上昇します。
仮にドル/円でのトレードを考えるなら、これを日本と米国でおこなえば、どちらの通貨が強くなるべきか?これも求めることが出来るでしょう。あくまで判断材料の1つではありますが、有力な材料になり得ます。
初稿 2021/4/24
お読みいただきありがとうございました
Fundalia(ファンダリア)