金利差理論の基本モデル
為替相場の値動きは、どのようにして起こるのでしょうか？
テクニカル分析でいう「サイン（sign）、シグナル（signal）」で、値動きが起こる（決まる）わけではありません。景気・経済・金利・インフレ率などの理由があって、マネー需要が変わることで通貨価値が変化します。
この記事では、私が為替相場の値動きを予測するうえで使っている、為替理論を紹介します。それが上記の図解で、【金利差理論】と呼びます。このブログで書かれているFXに係わる記事は、すべてこの金利差理論が根底にあります。
〖金利差理論とは〗
為替相場を値動きさせる最も強い要因とは【金利】である。そういう考え方です。金利とは何かというと、お金を移動させる粘着剤の役割を果たします。人々は、利益を得るため金利が高いところに預けたい。皆（投資家に限らず）、そう考えています。日本にも銀行があるのに、わざわざ外貨預金をする方が居ますね。それは高金利を求めているからです。
金利差理論とは、人々が持つ根源的な欲望を利用した投資理論です。古今東西、お金は儲かるところ（安全なところも含まれる）に集まるよう出来ています。ゆえに、FXでも金利の高いところに、お金が集まる。その国のマネー需要が強ければ希少価値ができますから、当然ながら値上がりします。
理に適っているでしょう。
このため、FXで為替予測をするときに使う尺度を「サイン（sign）、シグナル（signal）」ではなく「金利（interest rate）」とします。投資では、相場を測定する尺度の何にするのか？これがとても大事なポイントです。
先程も書いた通り、金利は人々が持つ根源的な欲望です。私に言わせれば、テクニカル分析で求まるサインなどと、比較できるものではありません。強度が異なりますから。
〖金利差理論を、どのように考える？〗
金利が上がれば、通貨も上がる
インフレ率が上がれば、金利も上がる
ゆえに、インフレ率をよく観察するべし
このように理論を考えます。
普段の経済指標発表でも、消費者物価指数（CPI）は注目されます。どこのサイトを覗いても、消費者物価指数の扱いは最重要です。ここでインフレ率を重視するのは、金利の動きを見通せるからです（一部に例外あり）。例外である状況も、判断する尺度・条件があるので予測することができます。
FXで相場予測する時に、相場が正常であるならば、必ずモデル通りに相場が動きます。これは予想して当てる類ではありません。為替相場とは、そのように作られています。人々の根源的な欲望により、裏づけられています。
〖金利とインフレ率の関係は法律で定められている〗
実は、金利（政策金利）とインフレ率（物価）の関係は、法律で定められています。日本の場合は、日本銀行法（1997年）で各国でも似たような法率が存在します。要約すると、
日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。（日本銀行法より。原文のまま）
物価を安定させる手段として使われているのが、公定歩合、政策金利、量的緩和政策です。すべて金利を動かす手法で、中央銀行が管理します。FXでもFOMCのような政策金利を発表する場が、とても注目されるのは金利が為替相場を含む経済への影響が強いことが理由です。
〖欲望と法律で支えられている理論〗
実に強烈な支えがあって、金利差理論は成立しています。私が言いたかったのは、為替相場は金利とインフレ率と密接に結び合って値動きが起こっているということです。これが為替相場の基本的なメカニズムです。
そして、何よりも重要なのは相場の世界で最も資金力がある、機関投資家・ヘッジファンド達が、この思考で行動している点です。この思考こそファンダメンタル分析の基礎です。よくファンダメンタルは要らないという意見を聞きますが、彼らの考えを理解しないままFXトレードに参加するのは、筆頭株主の意見を聞かないで騒ぐ少数株主と同じです。
金利差理論は、言い換えますと人々の欲望のトレンドを考える理論です。人々の欲望は、金利（利回り）という形で、表現されます。ですから、相場予想の尺度としてとても有効に機能します。
本記事が参考になれば幸いです。
Fundalia（ファンダリア）
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