不良債権が激増するとみられる中国 | ファンダメンタルなアウトローのFX

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中国では今、経済の「リバランス」が進んでいる。悪いことに、2006─07年の米経済がそうだったように、不動産市場の急減速を伴って大きく均衡が崩れつつある


そうした事態はおそらく避けられなかったが、幾つかの見覚えのあるリスクを浮かび上がらせている。それは、不動産価格の低下、債務不履行、そして成長の急減速とつながる連鎖反応だ


世界にとっては、その影響によるコストが高くつく可能性もある。これまで中国のあくなき資源需要を支えることで成長してきたブラジルやオーストラリアといった国々は特にそうだ。

ロイターの最新調査によると、中国の今年の国内総生産(GDP)成長率は7.3%になるとみられ、昨年を下回って過去24年間で最低の伸びになると予想される。


これは一見すると、投資依存型の経済を脱却し、消費の寄与がより大きい先進国型の経済に移行するという政府の目標に合致している。


しかし、中国経済に占める消費の役割が相対的に増しているのは、特に不動産分野での投資が落ち込んでいることが大きな要因だ。第1・四半期のGDPにおける不動産投資の比率は12%と、前年の15%から低下した。また、1─3月期の住宅販売額は前年同期比で7.7%減少。新規着工面積も25%強の減少となった。(引用:ロイター2014/4/25) 


中国 理財商品 金融危機


バブル崩壊というのは、不動産や株価の下落を指す言葉ではありません!


結果としてそうはなりますが、バブル崩壊とは「銀行の不良債権が激増する現象」であると私は思います。借り手は、投資先の値上がりを前提に資金を借り、貸し手は信用調査もせず貸したがります。これまで儲かっていたからです。

そこで、土地なり株価なりがピークアウトを迎えます。不動産・株価が下がり始め、売れなくなることで借り手は資金に窮します。これが不良債権に発展していきます。


現在の中国はこの現象の初期段階にあります。


記事にもある通り、去年のGDPは過去24年間で最低の成長率でした。今年はさらに下がる可能性があります。しかし、中国は成長前提(投資依存)の経済構造なので新規投資がこれにミスマッチし、需給が合わなくなっています。鉄鋼だけ見ても1億トン以上の過剰設備があるそうです。鉄鋼価格も暴落するのは必然であります。


これらが調整される段階で、バブル崩壊が起きます。勢いで進められた投資が調整され、ファンダメンタルとのミスマッチを解消する作業であります。経済構造の転換が必要となり、そのために投資家や企業の心理構造から変えていかねばなりません


新聞などの見出しを一覧しても、価格のピークアウトを示唆するものが増えています。ですから、過剰投資、不動産などは調整されていくことになります。時期はともかく、調整されるのは確実でしょう。


問題は時期です。これは政府が大規模緩和だったり、財政出動を行うなど人為的に遅らせることが可能であります。よって、多少の前後はあるでしょう。価格にしても、下がり始めても政府の介入を期待して上昇に転じる時期もあるでしょう。


この辺が相場の機微とでもいえるでしょうか。