トム・ストッパードの戯曲『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』は読んだことがある。2013年11月、ナショナル・シアター50周年記念の舞台でベネディクト・カンバーバッチがこの芝居の一部を演じていたので、日本語訳にあたってみたのだ。が、正直、ストッパードの代表作でもあるこの超有名な戯曲を読んでも、どこがそんなにおもしろいのか、私にはよく分からなかった。
「ハムレット」に出てくる脇役、ローゼンクランツとギルデンスターンの二人を主役に据えて、「ハムレット」のプロットの表と裏をひっくり返している、くらいのことはかろうじて分かる。が、笑えるかというと——むしろ、こんな小難しい話を瞬時に理解して爆笑できるイギリスの知的階層ってすごいな、と思うのがせいぜいだった。
それだけに、ナショナル・シアター・ライヴ2018にこの作品が選ばれて、どれほどありがたかったことか。戯曲を読んであれほど笑いのツボが分からなかった私ですら、観ていて何度もくすくすげらげら笑わせてもらった。
これもすべて、有能な演出家と有能な俳優たちのおかげ。やっぱり戯曲を読むより上演されたものを観たほうがよっぱど楽しめるわ、と思いつつ、いつまで経っても戯曲を読むセンスと技術が身につかない自分にもちょっとしみじみしてしまった。
