ピーターラビット展 | First Chance to See...

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エコ生活、まずは最初の一歩から。

 夏休みも終わったことだし、さすがに小さい子供たちはいなくなっただろう、と見越して、行ってきました、東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアム。

 

 

 確かに小さい子供はほとんどいなかったけど、予想以上に混雑していた。私は、展示順ではなく、人が途絶えてぽっかり空いているところから順に見ることにしたので、小さい1点1点に鼻をくっつけるようにして割ときっちり眺めることができたけど(Bunkamura ザ・ミュージアムは階段の上り下りがないからこういう時はすごくラク)、最初から最後まで人の流れに沿って見た人たちはどっと疲れたんじゃないだろうか。

 

 やっぱり原画はキレイだね、とか、シュタイフのぬいぐるみも昔は結構お粗末な出来だったんだね、とか、誰もが思うようなことを思いながら会場の出口付近に向かうと、そこに置かれていたガラスケースの中に、1906年に「日本農業雑誌」に掲載されたピーターラビットの最初の日本語訳が。このケースに群れている人は全然いなかったのでじっくり読ませていただくと、著作権云々は完全に無視、ポターの挿絵をテキトーにアレンジしたイラスト付きで、訳文は自由奔放としかいいようのない語り口だが、それはそれで妙なおかしみというか味わいがある。ふむふむ、旧仮名遣いの文章にしては読みやすいな、と思いながら読み進めていくと——ちょっと待て、ピーターの兄弟、Flopsy, Mopsy, and Cotton-tailのFlopsyが、「フロプシー」ならぬ「エロプシー」になってる!

 

 それだけなら「印刷の悪い紙に刷られた英文を読んで、FとEを間違えたのね」で済むところだが、ご丁寧にもこの訳者、エロプシーに「駈落者といふ意味」という(ポターの文章にはない、あるはずがない)説明を勝手に足し、さらに「いくら兎としても、斯な名は冗談めいて居て、眞實の名のやうには見へませぬ」とまで追記している。きっと、Elopsyからelopeという動詞を連想されたんでしょうなあ……。

 

 誤訳に誤訳を重ねるという、ありがちな悲劇。すみません、最後にちょっと笑わせてもらいました。

 

追伸/ミュージアムショップは予想通りかわいいグッズがてんこ盛りで、理性で物欲を抑えるのがタイヘンだった。で、悩みに悩んで買ったのが、

 

 

 マスキングテープと、紅茶とドライフルーツのジャム♡