造語的省略語
私が苦手だなと感じている、日本語の造語的な省略語。
そう、スクリーンショットを「スクショ」、マインクラフトというゲームのことを「マイクラ」、デパートで売っている化粧品のことを「デパコス」と言ったりする、そういう省略語です。
省略語への苦手意識は思い起こすと、学生時代頃から既にありました。仲の良い友人と、省略語って苦手だよね~という会話をしたのを覚えています。
アルバイトしている喫茶店でおじさん・おばさんから注文される「冷コー」や(古い事例ですみません)、男性の長い髪を表す「ロン毛」、ヘビーローテーションを「ヘビロテ」。
『世界の中心で愛を叫ぶ』という映画のことを「せかちゅう」という、というものもありましたね。(いい映画ですよねー。)
こういう省略語の数々で、自分にとっての新しい省略語は特に、
自分の口からその言葉が出る、というのがどうしてもなんだか違和感だらけで、恥ずかしい気持ちが先に立って、使えなかったし、今も同じです。
最初から省略語で認識しているものは、大丈夫です。例えばなんでしょう、ヘビメタとかコンビニとかでしょうか。
親しくする人の中には、全くそういうことは感じず、自由自在にありとあらゆる省略語を使いこなし、更には自分で新しいものを作って、まるで誰もが使っている言葉のように自然に使う、という人もいて、それにはもう、すごー、、、と感心しかありません
ふかわりょうさん
少し前に、ふかわりょうさんの「世の中と足並みがそろわない」というエッセイを読みました。
Yahooニュースで黒木瞳さんとの砂時計にまつわるエピソードの章が紹介されていて、砂時計に魅かれて、実はふかわりょうさんという方を知らずに(すみません、日本のテレビから相当長く離れているので。。。💦)Kindle版を購入。
そうしたら、もう、こんなにばっちりはまることはないってくらいに、この省略語苦手な件についてのふかわりょうさんの持論が展開されていてもう納得しまくり、うなずきまくり、笑いまくり、ハイライトしまくり
ふかわさんが言うには、三軒茶屋を「三茶」、「二子玉川」を「二子玉」などと略されている地名など。そういう地名を、
「私には、略す資格がない」
と。
あまり関わりがない場所を、略して口にするだなんて、滅相もない、と。
そして、続きます。地名で言えば、「三宿」だけは30年以上高頻度で足を運んでいるので、「三宿」と呼んでも大丈夫だ、と。
これまで深く全く考えずに、ただ苦手ーと感じていたことが、ああまさにこれこれ、私もほんっとにそう思う!!と納得しまくったのでした。
もう省略語ではなく、正式名称といってもいいくらい定着しているようなもの、
マクドナルド → マック
スターバックス → スタバ
ゲームセンター → ゲーセン
ドラゴンクエスト → ドラクエ
こういう言葉でもいまだに、マックは、マクドナルドと言ってます。ふかわさんのエッセイを読んで、私も、略す資格がまだもらえていない、という思考回路なのだと理解しました。
普段、マクドナルドも行かないし、スターバックスでさえ、まだスタバと言えるほどの回数、コーヒー買ってない。
ゲームセンターに遊びに行かないし、ドラゴンクエストのゲームもしないので、略す資格がないのです
そんな中、唯一私が堂々となんの罪悪感も恥ずかしさもなく使えるお店の略語があります。それは、
ミスタードーナツ→ミスド
ミスドは、高校時代から足しげく通い、学生時代、全種類制覇と一気に食べた個数9個、という記録を誇っていました
だから、自分の中で、略す資格がある、と堂々としているからなのですね💦
ふかわりょうさん、それまで知らなかった方ですが、この略語に関する考察、エッセイの中でここに書いた以上に深く考察していて、その他のトピックの章でもわかるわかる、の連続。
購入のきっかけとなった、黒木瞳さんとの砂時計のお話も興味深かったです。
最近、文庫版も出たみたいです
と、こんな私ですが、最近新しく自然に使うことができ始めた省略語があります。
コンド
こちらの集合住宅のほとんどは、コンドミニアムという種別で、通称「コンド」。
英語表記でも condo という省略語が広く使われています。
それでもなかなか自然に使えず、コンドミニアム、と言ってたのですが、ここではそれはむしろ不自然な響きというのもあり、ある日、コンド、と思い切って言って、そこからコンドが自分の中で定着しました。
数年コンドに住んで、略語を使う資格が出来たってことなんでしょう
なんだか、先日書いた、新しい日本語にまつわる気持ちと似た話でになってしまいました
読んでくださってありがとうございました
海外生活約17年の会社員。
現在家族5人で東南アジア在住。
体調の悩みも増えてきた
団塊ジュニア世代です。