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宝物への物語

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六月の嵐が近づいたある日

氷の花が胸の奥に咲いたんだ。。

その花はね。。
とても冷たいんだけど

うずくまる程。。
痛くて熱くてね。

そのうち。。
瞳の中に海が棲みついて

何も見えなくなってしまったんだよ

此処が何処かも解らなくてね。。

出口も探せなくてね。。

とうとう。。

ダメかな。。。

なんてね。。

スベテを諦めてしまいそうだったんだ。。

その日は焼けるように
陽が強くてね。。

嵐の前だったから。。
強い強い風音だけが聞こえていたんだ。。

そんな時。。

感じたんだ。。

そう。。

女神が微笑ってた。。

目は見えなかったからね。。

だから。。

感じたんだ。。。

女神はね。。

強すぎる風に飛ばされそうな
コノカラダに鎖を巻いてくれたんだ

それは。。
外れないように。。

そして。。
忘れないように。。

とても。。
優しくてね。。

すごく。。
暖かくてね。。

涙で塞がれていた瞳が

涙で開かれたんだよ。。

本当。。
ホントの事なんだ。。

胸の奥の氷の花はね
暖かい涙で洗われて

少しずつ溶かされていったんだ。。

その後にね

またとても綺麗な花が咲いたんだ

女神は言ってたよ。。

愛の歴史は忘れない様にって。。

女神が去ったその後で

嵐がやって来たんだ。。

でも。。

もう。。
飛ばされる事は無かった。

カラダには女神の鎖と
胸の中には氷からカタチを変えた
綺麗な薔薇が咲いていたからね。。

小さな街での小さな出来事なんだ。。

でも。。

とても大切な出来事なんだ。。