言うことは聞かない、

人一倍口達者、

あまのじゃく、


困った時には、"これ、手伝って"
とわがままを言う。

夏休みの読書感想文などは典型例だ。

"自分の気持ちを表現するのが嫌なんだな"、
そもそも
"この子は、文章を書くのがよほど苦手なんだな。"、
と何度思ったものか。

そして、つい先日までそう思い続けてきた。



あの文章を目にするまでは。


なんの疑いもなく。



この間、娘が小学校から卒業文集を持って帰ってきた。

まあ、また適当に済ませているんだろう、
と、たかをくくりながらも

一応目を通すことにした。


何かある思い出について書いている、多くの子とは対照的に
娘は意外にも将来の夢について書いていた。

小学校に入り、いつ、どうしてその夢を持つようになったか、
そして、その気持ちを深めていったいきさつ、夢を叶えてどうしたいのか、など

これらは全て小学校での出来事が引き金となっていた。

行を追うごとに、感動を覚え、驚きが走った。
しかも、伝えたい事が、冗長性もなく十二分に伝わってきた。


ほんの数分前まで持ち続けた、娘に対する勝手な決めつけに対して、
自分に嫌悪感を覚えた。



振り返るとこの約一年、悪い方への展開に対し、悪戦苦闘してきた。

そんな最中にこんな立派な文章を書いていたことを考えると
不思議であり、もしかしたら、逃げずに向き合った結果かもしれないとも思った。
そして、娘が誇らしく思えた。



そして、今、娘がどんな態度であろうが、これを書いたんだから、

慌てることはないと思った。
 
旅行前にたまにお世話になる駅長室。
滅多に入らないから、興味津々に眺めてしまう。

昔の駅長室では、客の位置からも様々な情報を垣間見ることができた。
徘徊者の情報であったり、不審者の情報だったりだったと思う。

最近でこそ、その手の情報は目にすることはなくなったが、
それでも聞こえてくる会話は、まるで警察24時。

"◯◯号で体調不良者が"、
とか
"◯◯時◯◯分ごろ◯◯線の下りエスカレーター付近で
酔っ払いが云々"、などはよくあることだろう。

この前はこんな会話が聞こえてきた。

電話"◯◯◯号でハムスターを捕獲"

"とっとこだってとっとこ。ハムタローだよ。"

"で、どうしたって?"

"引き取ってもらうって、警察に。"

"きっとむっがられるだろうな"


みたいな。


上司との電話にムカムカし、
せっかく出てきたのに
仕事も手につかず、
そのうち、眠くなってきた。

どうにもこうにも眠いので、車で少し寝ることに。
休日で車はほとんどないが、建物の間の目立たぬところに移動させ
横になった。


建物から響く機械音のせいか、変な夢を見た。
閉鎖された建物に、通気口のようなところから入り込み、
任務達成。
廊下に出て、さあ、エレベーターか階段で帰ろう

と、思っていたが、
封鎖されていて使えない。
仕方なく、引き返すにはあまりにハードな通気口を後戻り
していると、場面は車の中。
轟音と共に、地面が揺れ出した。
大地震か、と思うと、倒したシートに寝転んだまま、
車がバックし始めた、と次の瞬間、
後ろから車がぶつかってきて、頭から肩にかけてずっしりと
重みがかかる。その内、動けない事に気づき、
おへっ、と口から何かが出たか、上から何かが入ってきた感じ。

何かに乗り移られたのか?
目が覚めながら、怖くなった。