昨日の記事を書いた後、
ふと医局のテーブルを見ると
3日前の「南海日日新聞」が置いてありました。
記事には、
「昨年本紙に掲載された大島郡医師科の広告見出しだ」と、
上記記事にてポスターと紹介した記事のことに触れていました。
へー面白い偶然だな。
さてはもう少しこの件を掘り下げて語った方がいいのかと感じました。
記事には民間の血液バンクがなくなった経緯が説明されています。
今、日本で輸血を行うには日本唯一の血液製剤の製造販売業者である
日本赤十字社から血液を購入する必要がある。奄美大島は本土から距離があるため
緊急時には血液がすぐ届かず、ある程度の血液が島に必要だ。
そこで日赤は近年まで自社に代わって血液をストックし医療機関に販売する業務を
奄美市内の医薬品卸業者1社に委託していた。その事業者を関係者は「血液備蓄所」と呼んでいる。
ところが法律改正の影響などで、2018年以降その事業者が血液備蓄業務を継続できなくなった。
奄美大島の病院やクリニックは直接、鹿児島市の県立赤十字血液センターから購入しなければいけなくなった。
血液をオーダーしてから手元に届くまで平均10時間がかかるようになった。
幸いにもまだ血液到着が遅れて亡くなった方はいないそうですが、
今の状況をこう評しています。
「なんとかなっている」などとのんびりしていてはいけない。
群島の医師はいう
「生血輸血に頼る現状を早くなんとかしなければならない。
奄美が『ゆでガエル』になってしまう前に」
のんびりしている、先送りは日本の十八番になっていますね。
法律改正で今まで普通に行われていたことができなくなるのも定番化しています。
最近では食品衛生法の改正で「自家製梅干し」が販売できなくなる件などを思い浮かべますね。