「高層マンションに住む妊婦の流産率が高い」
というのは、時々耳にします。
一応は専門家の野犬に言わすと、これは一種の都市伝説だと思います。

今回は、にそんな記事を見つけました。



また、出たと言う感じで、過去の資料を探してみたのですが、
見つけきらなかったです。



この表を見ると、ほー確かに居住階が高いと流産率も高いという結論を導き出しそうです。

仮にそうだとすると、
標高が高いこととは無関係です。高地に住んでいる人に流産率が高いというデータはありませんから。
なら、高層階の揺れですかね。
CAさんなんかは、妊娠初期にフライトしていることがあります。
そもそも、ここでいう流産って、初期のものだと思います。
初期流産は胎児側因子でおきます。自然淘汰的です。

実際、職業婦人と専業主婦の間に初期流産率に違いはありません。
逆に後期の流産や早産は働いている人のほうが、完全な流早産に至る率は低いです。自分は働いているからと、気を使うため早期受診につながるからです。

すると、この統計は何なのでしょう?
それは、高層階に住む人の社会的特徴を無視しているからです。マンションは上に行くほど高額です。
購入力の高い人ほど、上に行くでしょう(高所嫌い症の人は例外) 購入力のある人は年齢が上です。年齢が高い人は流産率が高いことは事実ですので、高層階=流産率高いができます。

じゃあ、年齢的要因を排除してみましょう。
例え同じ年齢だとすると、上層階=購買力高いはそのままですから、ソシオ・エコノミック・ステイタス(SES) が高いとも言えます。
SES高い人と低い人の間の流産率を比較すると、
これは難しいです。SES高い人はバースコントロールをちゃんとしたり、妊娠極初期での産婦人科受診をするなどの傾向があるので、実際は等しい流産率でも流産が高く認識される傾向が現れます。
言い方は極端になりますが、SES低い人は、貧乏人の子沢山じゃないですが、初期の流産を「あ、生理が遅く来た」程度の認識で済ませる傾向があり得ます。

高層階が健康に良くないという結論は、数々のファクターを考慮、除外した上で比較しないといけません。