今年も〈日本文学史2〉の授業は教室での対面で行い、成績評価も記述式のテストを行った。いまどき座学で使うかわからない知識を覚えさせる試験を課すのはどうか、というアンケートでの意見もあったが、我あえて反動の道を歩むなり。もちろん、知識を覚える授業ではないし、覚えればいいだけの試験でもないのですが。

 

さて、今年も昨年と同様に試験の最後は学生自身の意見を聞く問題を出した。

「「私小説」を信奉する文学観について自分自身はどう考えるか、具体的な作品(ジャンルは問わない・最近20年間の作品に限る)を例として挙げながら述べなさい。」というものだが、現代の大学生(一応日本文学専攻所属)がどのような作品にふれているか、という調査にもなっている。

 

今年は創作・評論コースと言語・文学コースで分けてみた。こころなしか前者の方がライトノベル・アニメーション・マンガを挙げている人が多いように見えますね。

また、授業で名前を挙げたもの(「蒲団」とか)を挙げたものは除いている。あと「最近20年間の作品」ではないものもあるのだが、それはそれで「いまどき」という感じがするので残しています。

また、一人で複数挙げている人のはそのまま並べ、表記のゆれもそのままにしています。

 

昨年度の分はこちら。そもそもの設問が違うということもあって、かなり違っているのですが、比較してみるのもおもしろいでしょう。

 

創作・評論コース
又吉直樹「火花」3名
コンビニ人間2名
無職転生
うなぎ
がっこうぐらし!
ゲゲゲの鬼太郎(アニメ)
君の名は。
告白
プラチナデータ
天久鷹央の推理カルテ
15歳のテロリスト
鬼滅の刃
真夜中乙女戦争
ラヴクラフト全集
星新一のSF小説
男ともだち
妻とすごした1773話
夜は短し歩けよ乙女
同志少女よ敵を撃て・ハリー・ポッターシリーズ
兎、波を走る
蒲団
犯人はそこにいる
限りなく透明に近いブルー
儚い羊たちの晩餐
転生したらスライムだった件
図書館戦争
鏡の中のアジア
すずめの戸締まり
マチネの終わりに
ホームレス中学生
八年ごしの花嫁
余命10年
三日間の幸福
日々是好日
錦織圭の自伝
さくらもももこのエッセイ
24時間テレビのドラマ
舌禍
さくらももこ「ももの缶詰」
となりのトットちゃん
ちびまる子ちゃん・ドラえもん・サザエさん
百田尚樹「永遠の0」
キノの旅・Re.ゼロから始める異世界生活・ソード・アート・オンライン
又吉「火花」・よしもとばななの作品・スクラップアンドビルド・同志少女
鬼滅の刃
ハーモニー・星新一のSS・ミステリ小説
流星の絆
推し、燃ゆ
又吉直樹「火花」・高山一実「トラペジウム」
星野源「働く男」
湊かなえ「告白」
サラダ記念日

言語・文学コース
余命10年 3名
苦役列車
君の名は。
また同じ夢を見ていた
告白
湊かなえ「告白」
東野圭吾の不倫がテーマで映画化された作品
正欲
獣の奏者
ソード・アート・オンライン
チョ・ナムジョ「彼女の名前は」
加藤シゲアキ「オルタネート」
探偵チームKZ事件ノート
東野圭吾や村上春樹の作品
サラダ記念日
さくらももこ「たいのおかしら」
さくらももこ「もものかんづめ」
もぬけの考察
おやすみプンプン
又吉直樹「火花」
ハドソン川の奇跡
蜜蜂と遠雷
死刑に至る病
明日はいづこの空の下
森見登美彦「太陽の塔」
伊坂幸太郎「逆ソクラテス」
君の膵臓を食べたい・君の名は。・天気の子
瀬戸内寂聴の作品
高瀬隼子「おいしいごはんが食べられますように」
スマホを落としただけなのに
美しい彼
神様の御用人
桜のような君
村上春樹「かえるくん、東京に行く」
星野源のエッセイ
キングコングの西野「煙突町のプペル」
ホームレス中学生
重松清「とんび」
奏(かなで)
崩れる脳を抱きしめて・アタラクシア・絶唱
村上春樹「ハードボイルド・ワンダーランド」
坂口安吾「戦争と一人の女」
アルジャーノンに花束を
朝井リョウ「何者」
僕を殺した人と僕が殺した人
さよなら世界の終わり
川上弘美の作品

 

「具体的な作品」と書いただけなので、作者名を挙げていない人が多い中で、「火花」については全員作者名を挙げていたのはさすがの知名度、いや作者の名前の方が先行しているということなのかもしれませんな。

 

来年もできれば続けて同じように問うてみたいと思っております。