こんにちは、しもじんこと、PR現代の下島です。

 

東京、京都、大阪、兵庫に明日から3度目の「緊急事態宣言」が施行されることになりました(4月25日から5月11までの予定)。

 

このコロナ禍は長期戦の覚悟をもとうとこのブログでお伝えしてきました。

私は本当にここからが商人の知恵の見せ所となる正念場の一年になると予想します。

 

引き続き新型コロナウイルスの感染防止に努め、そして心れることなく、片眼は足元を、そしてもう片眼は来年以降の先を見据え、自社のファンづくりを進めてまいりましょう。

 

 

あらためて、いま専門店において大切な3つのこと

 

さて、宝飾店、時計店、呉服店、眼鏡店などの、中・高額取り扱い専門店においては、これから各店でG.Wセール、春の展示会、時の記念日フェアなどのイベントが開催される時期です。

 

緊急事態再発令を受け、以前にもお伝えした有事の対応策を特に3点にしぼり紹介します。

 

①日頃からご愛顧いただいている「ファン客」との絆をしっかり維持し、さらに深める行動をとること。

 

②新たな販路開拓のために「新規客」づくりをデジタルコミュニケーションツールを導入してしっかり実行すること。

 

③経費や在庫などの負担を減らし、できるだけ身軽になること!

 

この3つを回すことだと私は考えます。

 

関連ブログ:

『コロナ危機はこれからか?!今週の幹部会議後に私が感じたこと』(2020年11月27日)

 

『コロナ第三波!? そのとき、専門店の売上対策7つのポイントとは?』(2020年11月14日)

 

 

「顧客消滅時代」のマーケティング(小阪裕司著)

 

関連して、ぜひ専門店経営者の皆さまにおすすめしたいのが、小阪裕司氏が書かれた『「顧客消滅時代」のマーケティング』です(PHP文庫、2021年3月11日発刊)。すでにひと月以上経っているのですでにお読みの読者も多いかもしれません。

 

本著は「ワクワク系マーケティング実践会」(弊社も以前所属)を主宰する、オラクルひと・しくみ研究所の小坂裕司代表が書かれた本です。

 

 

「顧客消滅時代」と言っていますが、すべてそうだというわけではありません。短期的売上志向の考え方ややり方では顧客が少なくなっていく傾向にあるとうことです。

 

「ワクワク系マーケティング」に取り組む経営者は顧客(ファン客)をしっかり作っている。そしてファン客づくりこそが企業がマーケティングを行う最も重要なことであると説いています。

 

「マスを狙うな、ファンを作れ」

マーケティングの大家が満を持して世に問う「マーケティングのニューノーマル」

と銘打った一冊です。

 

特に印象に残ったことを7つあげてみました。

 

●人々が買わなくなったのは「中途半端なもの」

●顧客の時間はむしろ増えている。

●フロー型(一見客、顔の見えない客)ではなくストック型(顧客、ファン客)を作れ!

●顧客リストは資産。手が打てることが重要。

●ファンダムの究極形は「共創」である。

●場につかる、事例を知る。実践知を高める。

●コロナ禍は、自分たちの提供価値を見直すチャンス!

 

きもの専門店の事例も2社紹介されています。

ある着物店(弊社夏季セミナーでもご登壇いただいたお店です)のファン客がなぜ数百万円の着物をコロナ禍の中、購入に至ったのか。

 

また別の着物店では、卒業式が軒並み中止になった時に袴をレンタル予約していただいたお客さまに対して行った施策について紹介されています。

 

著者はコロナ禍の中、顧客は選別をおこなっていたと指摘。

 

目指すは「顧客がつぶさない会社」。ストアブランド力の面からもたいへん参考になる一冊です。

 

 

「顧客消滅時代」のマーケティング』目次

序─2020年4月、顧客が消えた


【第1章】「顧客消滅」時代のマーケティングとは
●1・1 コロナショックは世の中をどう変えたのか
人が戻らなかったのは「無意識の選別」/人々が買わなくなったのは「中途半端なもの」
●1・2 あの店が「コロナショック」でも売上を増やせた理由
4月に「前年比150%」を達成した高級レストラン/フローでなくストックの顧客を持っているか
●1・3  「心が豊かになる」ビジネスにとって、今はチャンスである
1日で数百万円の服を買った女性が語った「ある事情」/「GoTo」はモルヒネである
●1・4 BtoBビジネスも「フローからストック」へ
BtoB企業を支えるのも、結局は「最終顧客」だ/観光客が消滅。そのとき、老舗が仕掛けたある施策とは?
●1・5 マス・マーケティングの限界─「マスク」と『鬼滅の刃』から見えること
『鬼滅の刃』の不思議─なぜ、あれだけ「クセが強い」作品がヒットしたのか/人口8万人の街で、1万人のファンを持つハンバーグ店
 

【第2章】「ファンダム」をどう作るか─「顧客消滅時代のマーケティング」実践編
●2・1 すべての活動は「顧客リスト」から始まる
墓石店が「顧客リスト」!?/過去の顧客リストが「打ち出の小づち」になるとき
●2・2「ファンダム」をどう作るか
ファンコミュニティの育成はどんな組織にとっても急務/「自分」を語れ!─自己開示は威力抜群
 

【第3章】BtoBビジネスも「ファンダム」がカギを握る
●3・1  取引先をファンにせよ─BtoBも結局「人」で決まる
自己開示で営業担当者がアイドル化!?/「一緒に学んでいく」姿勢がファンダムを作る/協力会社もファンにしてしまう
●3・2 商品開発の在り方が変わる─顧客を知らずして、モノは作れない
インタビューでは聞き出せない「本音」を引き出すコツ/顧客への投資は、研究開発よりも確実!?
 

【第4章】感性と価値で創られる市場とは
●4・1  コロナ禍は「自分たちの提供価値は何か」を見直す絶好の機会
フローが途切れたときこそ、「自分たちの提供価値」を見直すチャンス/消えた観光客。そして見えてきた「本当の顧客」
●4・2 ミッション探しとビジネスは同時並行で
まずは始める。ミッションはお客さんが教えてくれる/売れ続ける店の二つの特徴─ブーム型は燃え尽きる
 

【第5章】組織を変える、自分を変える
●5・1 ガチガチに硬直化した「人と組織」を変える
変革の三段階─ポイントは「解凍」にあり/「なかなか動けない人」を動かす、とっておきの方法とは?
●5・2 自分の価値を高めるために
自分を変えるためにも「場」につかれ/「事例」はあなたの燃料となる
●5・3 磨くべき四つの感性とは?
「部分ではなく、システム全体を見る」/「因果全体を見る」 
 

【終章】「アフターコロナ時代」に必要なもの