あなたの会社は生きているか? それとも死んでいるか?
こんにちは、しもじんです。
昨年3月に発売された『生きている会社、死んでいる会社』(著:遠藤 功)は、変化の大きな2019年を生き残る会社、自分が作りたい会社のあり方がぎゅっと詰まった好著です。
『見える化』『新幹線お掃除の天使たち』などの著書で有名な遠藤氏。日本には死んでいる会社が多いと警鐘を鳴らしています。
生きた会社をつくるには「ほとばしる熱」「徹底した理詰め」「社員の心の充足(情)」の3つが大切という内容に共感しました。
閉塞状況を打破するための生きた会社であり続けるためには、「創造的新陳代謝」が不可欠と説き「10の基本原則」を紹介しています。
今回は、その10の基本原則の要約です。
<第一部エッセンス>
「会社の構造」を正しく理解し、創造的新陳代謝を促そう
会社の目的は「独自価値を創造しつづけること」だ。ただし、会社が老化するとそれは難しくなる。老化を防ぐため、会社は創造的新陳代謝をしなければならない。
会社の目的は、
「社会や顧客が求める(歓迎する)独自価値を創造する」ことである。
「生きている会社」の基軸は、「挑戦ー実践ー創造ー代謝」である。「死んでいる会社」は「管理ー抑制ー停滞ー閉塞」に陥っている。
会社は老化する。創造するためには、新陳代謝が必要である。代謝とは「捨てる」「やめる」「入れ替える」ことである。
会社は生き物である。「経済体」「共同体」「生命体」という3つの側面で形成されている。特に「共同体」「生命体」という目に見えない部分、測定できない部分に着目する必要がある。
会社を「生命体」と捉えるなら、「人」を会社のど真ん中に置かなければならない。「人」こそが会社の根源であり、核心である。
<第二部エッセンス>
「生きている会社」の必要条件とは?
「生きている会社」をつくるには「熱」+「理」+「情」=「利」である。
「熱」は個の思いから生まれる。思いを共有する「分身」をつくり、「熱源」を増やさなければならない。
「熱」は原点に戻ることによって取り戻すことができる。
会社は合理的な存在である。常に現実と向き合い「理」を探求しなければならない。「理」は戦略レベルと、実行レベルに大別できる。
戦略レベルの「理」=適社性、中長期視点の洞察、コアの育成、代謝
実行レベルの「理」=組織能力の向上、合理的な実行。そのためには、実行を科学すること、武器としてのスピード、微差力、ナレッジワーカーの育成が必要。
生きている会社は「情」に満ちている。「情」とは人の「心」。心の充足には、「やりがい」と「承認欲求の充足」が必要である。
<第三部エッセンス>
実践すべき「10の基本原則」とは何か?
- 代謝のメカニズムを埋め込むー基準をもとに代謝を日常化する。
- 「ありたい姿」をぶち上げるー会社の旗を高々と掲げる。
- 骨太かつシンプルな「大戦略」を定めるーぶれない軸を示す。
- 「必死のコミュニケーション」に務めるー「伝わる」を心がける。
- オルガナイズ・スモールー小さいチームをたくさん作る。
- 「実験カンパニー」になるー小さく始めて、大きく学習する。
- 「言える化」を大切にするー自由に何でも言える会社になる。
- みんなでよい「空気」をつくるー良質な職場環境を整える。
- 管理を最小化するー「自主管理」を基本とし、支援を強化する。
- リスペクトを忘れないー人を「コスト」ではなく、「バリュー」と捉える。
生きている会社には「突破するミドル」が存在し、ミドルアップ、ミドルダウンが機能している。
経営者は「扇動者」「羅針盤」「指揮者」「演出家」という4つの仕事を行わなくてはならない。
「生きている会社のリーダーは「不完全性」こそが魅力である。己をさらけ出し、つくろわない姿勢が共感を生み、社員たちがついていく」
これ、肝に命じたいと思いました。
「創造的新陳代謝」を生み出す10の基本原則
(著者)遠藤 功
(出版社)東洋経済新聞社
(発行年)2018年3月8日
(価格)1,800円(税別)