ください
私にください
優しさをください
愛をください
知らないのかって?
いいえ
知っています
知っているから
欲しいのです
痛みも
寂しさも
暗闇も
もうたくさん
そう思っていたのに
気付けばまた
同じ場所
もう何も欲しくない
ただ
暗闇に溶けるだけ
満たされているはずの世界 7
めいの家から戻って原宿駅に着くとめいの彼氏である藤臣がソワソワと立っていた。
あまり得意なタイプでは無いがこういう場合、彼氏にも一言言っておかねばなるまい。
「藤臣さん。」
私の声に気づき、彼がこちらを振り返る。
ちょっとちゃらっとした雰囲気があまり得意では無い。
でもめいは彼の不満を言ったことはない。
ちゃらっとした雰囲気や格好も彼の仕事なのだとめいは言っていた。
「ユキさん!
ちょうど良いところに!
めい知りませんか!?」
こっちが聞きたい。
それをそのまま伝えてみる。
「いや、今日約束してたんですけど来なくて、さっき部屋に探しに行ったんですけどいないし。
こっちが聞きたいですよ。」
どうやら、めいが今日私と会う約束をしていたのも知らなかったようだ。
矢継ぎ早に質問してくる。
「いつですか!?
その電話いつしたんですか!?」
……
…面倒くさい。
だから、この人得意じゃ無いんだよ…。
「昨日の夜ですよ。
めいから大事な話があるって言われて、今日会おうって言われてたんですが、来なかったんです。
……あの、肩掴むのやめてもらえます?
頭が揺れて気持ち悪い…。」
「あぁ!
ごめんなさい、つい勢いで!」
揺すぶられて痛くなった首をさすっていると、後ろから声がする。
「ショウ!
待たせてごめん!」
「アツム、こちらユキさん。
めいの親友。
ユキさん、こいつはアツムです。
めいの友達の彼氏。」
勝手に巻き込まれそうになってるなぁと感じた。