神楽坂、昔の花街の名残を感じる細い路地がそこかしこにあって、日本的な風情に満ちていて大好きなエリアです。
一方、アンスティテュ・フランセやブリティッシュ・カウンシルも近い土地柄、外国人も結構前から多いし、表通り、裏通りに点在するレストランにも国際色を感じます。フレンチビストロに人気のところが多いですね。
エスニック系のお店も結構ありますが、中でも個性が際立つのは、インド料理の「想いの木」。
神楽坂下から早稲田通りをしばらく歩き続けると、交差点の少し上にこんな小さな間口と暖簾。
…多分、意識して探していないと間違いなく通りすぎてしまいそう。
店構えから誰も想像はできませんが、インド料理。
夜の早い時間だったことを差し引いても、静かな店内。何となく、わび・さび的な美意識を感じます。
一人ですと、テーブル席はチャージがかかります。こちらはカウンター席。
コースメニューもありますが、この日はアラカルトで頂くことに。
グリーンサラダ。リーフサラダと千葉県君津市の鈴木メロン園のフルーツトマトを自家製ニンジンドレッシングで。
野菜のクオリティの良さは勿論ですが、たっぷりかかったニンジンドレッシングが最高!ニンジンの濃い味を、ゴマの歯触りと風味がますます引き立てています。
カレーは、南インド風、北インド風、色々ありますが、これは南インド風でしょうか。
ココナッツプラウンカリーです。
ほんのり渋みのあるクミンシードとココナッツオイルの風味を効かせたほうれん草ベースソースのカレーです。
南インド風カレーって、北インドのに比べてさっぱりしているのはいいんですが、油脂が少ないせいか、スパイスがとんがりすぎて、辛さだけでなく、ちょっと独特の苦み、渋みが気になることがあります。
が、これは全然そんなことはなく、スパイシーでありながら、繊細な風味が抜群。クミンの渋さも程よく、全体にとても爽やかです。
あと、特筆すべきは、身がプリプリの大きな海老が2尾。海老カレーは珍しくありませんが、このサイズと食べ応えはそうそうお目にかかれません。なんだか、海老だけじっくり味わっていると、これはカレーという枠を越え、海老を食べる料理という感じがしてきます。
ころりとした、ユニークな見た目のチーズナン。
丸いナンの中にたっぷり包まれたとろけるチーズ、驚く程力強く伸びること、伸びること!チーズ好きにはたまりませんね。
ここに初めて友人に連れてきてもらった時から大好物です。
…本当は、中のチーズがトロリと溢れている写真も撮りたかったのですが、勢いよく伸びたチーズが下に敷いた紙にへばりついてしまい、何かだらしない見た目になってしまったため、自粛。
アラカルトメニューには、他にも築地市場直送の金目鯛を使った南インド風カレーや、あまおうイチゴのラッシー等、気になるメニュー一杯。
単にお店の外装、内装にとどまらず、日本の四季の移り変わりを敏感に感じとり、独特の解釈でインド料理という形にしているように思います。
10才未満のお子様はご遠慮ください、としている店なので、カメラのシャッター音やフラッシュは注意ですね。
大体インド料理って、庶民的で値段もお手頃なのが魅力なので、ちょっと高級路線過ぎ?と思う向きもありそうですかね。
それでも、色々と発見や嬉しい驚きのあるここのお料理は味わってみる価値は十分あると感じます。
ごちそうさまでした!