毎年、季節になると必ずニュースでも取り上げられる、大阪・造幣局の桜の通り抜け。
でも、正直それほど興味がなかったんですよね、今まで。
桜っていいますと、やはりソメイヨシノの吹き寄せる風にはらはらと花弁を散らすあの風情。もう少し違う時を選んで咲いてくれたら良いのにと思うくらい、開花した頃にはいつも春の嵐…という、あの儚さ、潔さこそがその真髄と思うわけでして。
花一つ一つは限りなく白く見えるのに、たくさん咲いているとうっすらとほのかな紅がさしているようなあの色味。
それに、全て同じ遺伝子を持つ一代雑種であるソメイヨシノは人の手を介さないと、脈々と子孫を残すことすらできないと言いますし。自ら種を保存するために生き延びることもないなんて、何と刹那的な。
一方、造幣局の桜の大半を占める八重桜って、あんまり儚げじゃないですよね。勿論美しいですが、何かこう、風情の点ではイマイチのような。
所詮好みの問題と言えばそれまでですが。
しかし、今年はちょうど大阪行きのタイミングがあったので、初の造幣局桜の通り抜け!経験してみました。
NHK大阪放送局での「あさが来た」セット展示を見てから、天満橋駅へ。NHKのありや谷町四丁目から天満橋まではわずか一駅。
駅を降りて少し歩くと、大川沿いの桜並木が見えます。これも十分綺麗。
入り口へ。通り抜けは一方通行、凄い人混み。
品種について語る知識はないので、表示されている名前の受け売りのみ。
これは「水晶」。
黄色い花が印象的な「鬱金(うこん)」。
林さんが作った品種だから、「林一号」。
「東錦」、塊状の花と濃い目の色が艶やか。
白とピンクの可憐なグラデーション、「紅笠」。
ヴィヴィッドな濃い色が目を引く、「八重紫桜」。
白めの色にフリルの花弁、「法明寺」。
葉化した雄しべが一本突き出ているから、「一葉」だって。
平野神社を代表する品種、平野妹背。
祇王寺祇女桜。勿論、平家物語の祇王寺ゆかりの桜。
撫子みたいな切り込みのある花弁から、「平野撫子」。
「永源寺」は、大きな花が存在感バツグン。
二本ある葉化した雄しべが、普賢菩薩が象の牙に乗っているみたいだから、「普賢象」。
由来聞かなくてもそのまんま、「小手鞠」。
原木がある「高台寺」、そのままの名前。
パンダみたいな名前と思ったら、本当に上野動物園のパンダの死を悼んでつけられたのでした、「蘭蘭」。
「松前琴糸桜」は、開花時と開ききったときの色がかなり違うそうですが、このときはかなり濃い色。
ネーミング勝ちな感じの「手弱女」。
名前失念しましたが、見事な枝下れっぷり。
何となく分かる、「雨宿」。
これも華やかな色、「日暮」。
「麒麟」、この造幣局に一番多い、「関山」と似てます。あ、「関山」は写真撮り忘れたかな。
「林二号」。
可憐な少女のような「思川」。
優美な「楊貴妃」。
淡い黄緑に赤みが混じる、個性的な「須磨浦普賢象」。
短い枝にこんもり咲くのが虎の尾みたいだから、「市原虎の尾」だって。
京都御所南殿にちなみ、「南殿」。
何か、桜ってやっぱりバラ科なんだわとおもわせる、美しい「福禄寿」。
菊の花に似ているから、「菊桜」。
由来は分かりませんが「浦和」。
ずばり、「江戸」。
甘ーい感じの「花染衣」。
清楚な「笹賀鴛鴦桜」。
吊り鐘形の白い花、「白妙」。
ソメイヨシノの片親、伊豆大島原産の「大島桜」。確かにお花はソメイヨシノっぽい。
小さく頭を垂れた姿が可愛い「夕暮」。
造幣局の桜、ウェブサイトによると今年は133品種、349本らしいので、これでもほんの一部。
さすがにこれだけあると、見応えありますね。…食わず嫌いは良くないです、やっぱり。
そして、毎年美しい桜を保ってくれる人たちの努力に心から敬服。