さて歌舞伎鑑賞後は、松竹座の裏にあるお好み焼き屋さん、「味乃家」へ。
生まれ育ち神戸なもんで、私も関西人の端くれ、昔なら大阪に来たからお好み焼き♪なんてベタなチョイスにはならんかったはずだが。しかし、やはり東京に住んで早10年。人って変わるもんですな。
歌舞伎は11時開演で、4時間の公演終了後だからとうに午後3時を過ぎているのですが、やっぱり順番待ちはいました。
でも二組程度だったので、そんなには待ちませんでした。
この入り口前、寒いですが一応電気ストーブはあります。
来店した有名人のサインでいっぱいの店内、活気があります。
お好み焼きは種類豊富ですが、この日は二色ミックスでエビと季節限定のカキをチョイス。あと、ネギのせもお願い。
ここは全て店の方が作ってくれます。
自分で焼くのが好きな方もいるでしょうが、ここはプロの手にゆだねましょう。
余談だけど、昔、京都に住んでいた頃に当時付き合っていた男性に一度連れていってもらった、裏寺町蛸薬師の「小はる」は、生地を混ぜるのから焼くのまで全て自分でやるタイプでしてね。やり方がなってないと、店の名物おばちゃんに説教されるので有名でした(店はその後、火災で閉店してしまったらしい)。
その時は、私よりも慣れているツレの男性がやってくれたのですが、「お前なあ、こんなん見られたら、「あんた、そんなんじゃお嫁にいけないわよっ!」て叱られるでぇ(笑)」と言われて、ビビりながら焼けるのを待っていた記憶が。
なので、店側でやってくれる方がやっぱり安心なのであります。あ、今もめでたく嫁にはいけてませんが、何か?
話が脱線しましたが、ここ味乃家はデフォルトだとソース、青のり、かつおに加えて、マヨネーズとからしをのせてくれるので、苦手なものがある場合は、伝えておきましょう。
私は、マヨとからしは抜きで頼んます。
さて、来ましたよ…。
うん、いい感じ!と一口食べた時点で、「あの、すいません、ネギのせでしたよね…」と店のお姉さん、慌ててネギをドバッ。
まだ間に合ってます、だいじょーぶ。
で、感想。シャキシャキした歯ごたえの残るキャベツがたっぷり、厚めの生地は柔らかいけど、ふわふわ感と程よい水分を含んだしっとり感が、ちょうどええ塩梅。
お好み焼きって、材料の配分と焼き方で本当に微妙に違いますもんね。柔らかだけどちょっとフワフワすぎるとか、いわゆるネギ焼きじゃない普通のお好み焼きなら、もうちょっと生地のボリューム感が欲しいとか。
結局は個々の嗜好の問題と思いますが、ここのは全てのバランスが非常に良いです。
…とは言え、関西人にとっては決して「驚き」ではないのですよ。言わば、子供の頃から家で外で食べ慣れた味を、奇をてらうことなく、正統な形でしっかり受け継いでくれている、そういう店。
その意味じゃ、関西圏以外の人に王道お好み焼きの代表として味わってもらうにはいいかと思います。場所柄、ツーリスト価格というか、別に安くはないですが、「風月」や「千房」のようにチェーン展開もしてませんし、近くに来る機会があれば、試す価値はあるんじゃないでしょうか。
ミシュランガイド京都・大阪2016年版には、ビブグルマンに選出。既に外国語表記のメニューもありますが、これからまた海外からのお客さんが増えそうです。
お好み焼き、向こうの人にも非常にウケがいいですもん。
食後、道頓堀界隈をぶらつこうと思いつつ、1℃とか寒すぎるので、早々に退散。