・2/2(金)「マキロイ選手に2ペナ」というニュースが

 入ってきました。

 

 

 

 最初は「ヘェ~」とやり過ごしましたが、「ドロップ

 場所を誤った。」と書いてあったので少し気になって

 内容を読んでみました。

 

・この事象は、2024(R06)年2月1日(木)、アメリカ

 カリフォルニア州のペブルビーチGL と

 スパイグラスヒルGCで開催された

 「AT&Tペブルビーチ・プロアマ」で起こりました。

 

・事実として書かれているのは以下のとおりです。

 ①10番スタートのマキロイ選手、後半7番(Par5)の

  ティショットを左のブッシュに打ち込む。

 ②アンプレヤブルを宣言し、元の場所とピンを結ぶ

  後方にドロップした。

 ③7番をボギーでホールアウト。

 ④アテスト会場で、7番での処置を間違えたと

  自己申告し、2罰打が加算されトリプルボギーと

  なった。

 ⑤2019年のルールで処置したが、2023年のルール

  改正の内容を失念していたとのこと。

 

  GDO記事  →リンク

  ALBA記事 →リンク

  X動画  →リンク

 

・記事を読んでも「えっ、何がダメだった?」と思って

 しまいました。

 確かに2023年の改正で、救済を受ける際のドロップ

 許容範囲が、「半円」→「円」に変わったことは多くの

 記事で知っていましたし認識していました。

 

 

 

・しかし、元のボールの位置とピンを結ぶ線の後方

 5ヤードにドロップしたことがなぜ規則違反になった

 のかがわかりませんでした。

 

・ゴルフ規則にとても詳しい方にお尋ねし、違反の

 可能性がある点を指摘していただきました。

 そして再度記事をよく読んでみました。

 2019年と2023年ゴルフ規則の違いのキーワードは

 「後方線上」でした。

 上記写真の当該処置部分を拡大すると以下のように

 なります。

 

 

 

 マキロイ選手が行ったのは、アンプレヤブルした

 元の球とピンを結ぶ線の後方線上で基準点を決め、

 そこから1クラブレングス内にドロップしました。

 前方のブッシュを避けるために右側にドロップした

 のではないかと思われます。

 

 

 

 しかし正しくは、アンプレヤブルした元の球と

 ピンを結ぶ線の後方線上にドロップしなければ

 いけませんでした。

 そしてその落下地点を中心に360度1クラブレングス

 以内にボールが止まればそれがインプレーになると

 いうことです。


・今回は、規則14.3b(3)に違反したことになります。

 

 

 

 さらに2023(R05)年ゴルフ規則には、マキロイ選手が

 行ったドロップが間違いであることを図解で示して

 います。図#2 14.3cです。

 

 

 

 ちなみに2019(H31)年の図14.3c は下の図です。

 後方線上にドロップする概念はありません。

 

 

 

・そしてこの後方線上にドロップしなければいけない

 状況として、

 ①異常なバンカーからの救済

   1罰打(規則16.1c(2))

 ②ペナルティエリアからの救済

   1罰打(規則17.1d(2))

 ③アンプレヤブル時の救済・・・今回の事例

   1罰打(規則19.2b)

 ④バンカーでのアンプレヤブル時の救済

   2罰打(規則19.3b)

 の場合も該当します。

 上記②のケースは、アマチュアのラウンドでも

 比較的多く発生すると思われますので、処置する

 際には気をつけたいですね。

 

・大会初日ローリー・マキロイ選手の成績は、

 1アンダー39位タイでした。

 

 

 

 強風のため日曜日の最終日が月曜日に順延

 されましたが、月曜日もプレーを断念、54ホールの

 短縮競技になりました。

 マキロイ選手の最終成績は、2アンダー66位タイ

 でした。

 初日の7番のトリプルボギーは、スパイグラスヒルGC

 でのできごとでしたが、翌日からのペブルビーチGL

 では、同じ7番(Par3)で2日間ともバーディでした。

 コースこそ違いますが、「7番の恨みは7番で」との

 気迫も感じます。

 

 

 

・優勝は、ウィンダム・クラーク選手(米)(17アンダー)

 でした。