3/14。


高校二年生の3/16に別れてから2年弱が経とうとしていた大学一年生のホワイトデー。


私は、Tに告白することにした。


昔付き合っていた時の反省などを書き連ねた長い長い文章を送っては送信取り消しをし、「彼女の枠、空いてたら立候補してもいい?」という私にしては小洒落た文章もなんか違うな、と取り消しをし、気がついたら4個の「送信を取り消しました」が並んだ。


やっと送ったのは、「ねえ、最近改めてTのこと好きなんやけどどうしたらいい?」という、完全に流れに身をまかせるスタイルの告白だった。


すると彼は、「やっぱ、先延ばしにするわけにはいかんか」と意味深な一言。

それに加え、「どうしたらいいも何も、自分で答え書いたやんけ」という文章が来たのだが、正直私は何の答えも書いていないのでひどく混乱した。


また、送信取り消しをしたはずなのに彼はそれをしっかりと把握していて、「送ろうとしていた長文をもう一度見せてくれ」と要求した上で、考える時間が欲しいと言った。


私は、長文をメモ帳で下書きしていたので、すぐにそれをコピペして送った。


高校の時は、付き合う、ということが分からず、価値観の違いを認めようとしなかったし、理解しようともしなかったし、自分勝手なことばかりしていた。でも今は少しは余裕ができてきたし、改めてあなたのことが好きだと思う。もしチャンスがもらえたらちゃんとした彼女になります、と。



彼は、時間をくれといった割にはすぐにラインをくれた。


「電話できるか?」


しかし、時差の関係で、電話は日本時間の3/16に持ち越しになった。


ただ、「寝る前に済まなかったね、Sweet dreams」 


という文面から、私はかすかな手応えを感じていた。



またあの声が聞ける。告白の返事にドキドキすることと同じくらい、それが嬉しくて嬉しくて、なかなか眠れなかった。




310日に、彼にラインを送ってみたら、案外すぐに返事が来た。


そして案外ラインが続いた。


アメリカと日本で時差があるので、夜に送って朝に返事が来ているという状態だったが、それでもラインはしっかり続いた。


彼の文章からは、別れた後一年ほど見え隠れしていた私への恨みや怒り(?)などは感じられず、理想の元カレと元カノランキングがあれば第1位になりそうなくらいの平和なラインだった。



Tに彼女がいたら付き合うことはできないので、ホワイトデーの話題を持ち出して彼の交際ステータスを聞き出した。どうやら恋はしてそうになく、本命チョコももらっていないようだった。


少し昔の話もした。ホワイトデーに私が彼に手紙を要求した話とか、高校の時は彼が尖っていた話とか。


私のラインのステータスメッセージを見て、「テストあるのか知らんが頑張り給え」という、腹の立つ応援メッセージもくれた。


私は、せっかくならばホワイトデーに告白しようと考えていたので、「ツンデレだけどロマンチックだったよ」などと、少しずつ話題を恋の方向に変えていった。不器用なので、自分でも書きながら笑ってしまうほど下心丸出しの文章が並んだ。



三月。

私は、とにかく恋人が欲しかった。父が危篤状態という状況で、とにかく頼れる人がほしくて、とにかく安らぎを与えてくれる人が欲しかった。

とは書いたものの、誰でもいいというわけではなかった。

誠実な人。この前の恋から、誠実さがいかに大事かを学んでいたので、誠実な人がいい。

そして、かっこよくて頭が良くて運動もできてツンデレだけど愛してくれる人


そんな贅沢な願いを叶えてくれるのは。



Tやな。



高校の最後の方は尖ってたけど、1月に会ったときには柔らかくなってたし、一緒にいて楽しかった。お互い大学生になって、心にも時間にも余裕ができているだろう。何せ、付き合っていた頃は私のことをとても愛してくれた。


この考えに至ったのは310日。先輩への「告白はなかったことにします」メッセージとの前後関係が少し微妙なので、中途半端な浮気心かと言われたら正直そうかもしれないが、何せそのメッセージはちゃんと(13日に)送ったので許していただきたい。


そして私は、「大学の夏休みはいつ始まるか」などというなんでもないような話題を、ラインで彼に投げてみた。ホワイトデーまでにいいムードが出来たら告白してみようという安易な考えだった。