外は暑いから室内でデートがしたい。
だが、あまりお金をかけたくない。
私たちは、おうちデートをすることにした。
彼はまだご両親に交際を伝えていないので、もちろん私の家で、だ。
私は割と気合を入れて部屋を片付けた。母は、「T、毎日来てくれたら家綺麗になるのに」などと言っていた。
母が家にいる間は、Tと私は、リビングで二人で仲良くパソコンを見ていた。
Tは当時プログラミングにはまっており、ゴキブリから逃げるというゲームを作っていた。プログラミングはとても上手かったのだが、ゴキブリの絵も同様に上手かった。気持ち悪くなるくらいに上手かった。彼は、その上手さを褒めて欲しかったのだろう、何枚もゴキブリの絵をラインで送ってきた。褒めてあげたら喜んでいた。
また、二人で数学もした。彼は医学部なので高校で数Ⅲを学んだが、私は文系なのでしていない。ただ、アメリカの大学で少しかじったので、一緒に解けるかなと思って参考書を開いた。
私が解いている時、彼は最高に暇そうにしていたので、ラブレターでも書いてくれ、と私は彼にレポート用紙を渡した。
完全したのは、上手すぎる人体模型図。主要な骨や筋肉が書き込まれている。ラブレターが欲しいと言ったのに。
「ここが橈骨でこっちが尺骨。覚えときや」
レクチャーまでされた。
仕方がないので、その紙は今も大事にとってある。
母が仕事に行くと、私たちは父の遺影の前であるにもかかわらずキスをしまくってしまった。二人でたくさん自撮りをしたり、キスしたりできたほんわかした自宅デートだった。