スタッフとして参加した石川県でのサマースクールは1週間ほどあり、せっかく日本にいるのに彼と会えないという寂しい時間だった。ではなぜそのサマースクールに行くことにしたのか、と言われれば、参加を決めた時は、夏休みにはもう彼と別れているだろうと思ったので、予定を入れても問題ないと判断したからである。大誤算だった。



私はTの書く文章が大好きである。

綺麗に丁寧に書かれていて、文才も凄まじい。


ただ、なかなか手紙を書いてくれlないというのが難点だ。


私は筆まめで、処理能力も速いので(?)、アホみたいに手紙を書くのだが、彼は丁寧に大事に手紙を書ねなさささしささかしくので、そんなにぽんぽんと書けないらしい。


しかし、サマースクール中、私のあまりの寂しさを理解してくれた彼は、手書きの文字を写真で送ってくれた。


私の名前と、「頑張ってね」のようなシンプルなものだったが、強烈に嬉しかった。


夏休み、私はデートがなかなかできないほど予定を入れまくっており、Tも学校や部活が忙しかったので、日本に居ながらにして遠距離恋愛のような形になっていた。


私は、石川県でのサマースクールにスタッフとして参加していたのだが、そこでの休憩時間にネットサーフィンをしていたら「東進ビジネスアイデアコンテスト」というビジネスコンテストを見つけた。


何人かでチームを組み、最優秀賞には50万円。 

50万円の欲しさだけで、Tをビジネスコンテストに誘ってみた。


長い遠距離恋愛、二人で協力して取り組めるものがあった方がいいかなと思ったのである。


私もTも、ビジネスに関する知識はなかった。なので、高校時代の友達で経営に詳しい子を誘い、3人ではそれぞれの担当タスクが重すぎるかもしれないので、私と仲が良かった子を誘い、4人でチームを組むことにした。


このコンテストに関して、たくさん悩まされることがなにかと出てくるのだが、色々なことを学べたし、少なくとも彼との絆を深める、遠距離を乗り切る、という意味ではとても役に立ったコンテストだった。


2回目の自宅デート。
私は、わずかな女子力を見せつけようと、彼に手料理を振る舞うことにした。

化粧をしたこともなく、オシャレにも興味がなく、料理もほとんどしたことがない私が、彼氏に女の子っぽいところを見せたいと思い立った、奇跡の瞬間である。


母の助言で、簡単だからということで、豚丼を作ることにした。
ただ、時間の管理を完全にミスったため、私は玉ねぎと豚肉を炒めるだけで、タレは母に任せることとなった。母は、私の手際の悪さに絶望しており、「玉ねぎはそんな風には傷めません」とか「包丁はそんな風には使いません」とか、「家庭科の授業受けてなかったの?」とか、とにかく小言を言ってきた。


豚丼の味はほぼタレの味なので、ほぼ母の作品となってしまったが、仕方がないので私が作ったことにした。

彼は異常な量を食べるのだが、ご飯の量で誤魔化していたら割とお腹を満たしてくれたようだ。おいしいと言ってくれたので一安心だった。

料理を終えた母からのアドバイスは、「稼げる人間になって家政婦さんを雇いなさい。で、料理作ってもらいなさい」であった。

それを彼に伝えると、「えー、手料理も食べたいぃ。。」と。

愛されてるなぁと思いながらも、料理できるかなぁという不安もある。

というものの、料理をしたいという気もあるし、おいしいものを食べてきた自信もあるので、美味しいものを作ろうと思えば作れる気もしている。

…一緒に暮らすようになったらせめて休日だけは料理を作ろうと思っている。