十年以上前、はじめて 担任したクラス。
新学期に、声をつぶしました。
40人近い子どもたちを まとめるのに、
「静かにしなさーい!」
と 怒鳴っていたからです。
子どもたちとは いい関係で、うれし涙が出るほど 私を 慕ってくれていましたが、
この授業中の けじめのなさには、ほとほと 参っていました。
いつだったかな~。
きっかけは 忘れてしまったのですが、あるとき 子どもに対する 意識を変えました。
子どもたちは「できるんだ」と 思うことにしました。
私の心のどこかで、
「子どもとは 騒ぐもの」、
「静かだなんて かえって 気持ち悪い」、
「ストレスが たまっちゃうんじゃないの?」
という 変な先入観がありました。
今思うと、子どもたちは しっかりと それを 見抜いていたんですね~。
「うるさい授業の方が ストレスがたまる。
本当は、この子たちは、静かにすることが できるんだ。」
と 見方を変えたら、自分の行動が 変わりました。

(c) macha|写真素材 PIXTA
まず、待つようになりました。
子どもたちが 静まるまで、じーっと 待ちます。
見切り発車で 「静かに~!」と 怒鳴ることは、しなくなりました。
次に、感謝するようになりました。
な~んにも言わず、教壇に立つだけで、
何人かの子が その様子に気づき、周りの子にも 教えてくれます。
「先生が お話しするみたいだよ、静かにしよう」
私は、心の中で
「ありがとう」
と 思いながら、にっこりと うなづきます。
「ありがとう」を 5回ぐらい 繰り返した頃、クラスは 静かになっています。
そして、信じるようになりました。
子どもたちには、無限の力が あります。
私が それを 信じているか、いないかで、私の行動も 子どもたちの行動も 変わります。
大丈夫、あなたたたちは できるんだよ、
と 思い、伝えることで、子どもたちは どんどん 伸びていきました。
私が 見方を変えただけで、魔法のように クラスの雰囲気は 変わりました。
それ以後、私が 受け持ったクラスが 騒がしかったり、
落ち着きがなかったりしたことは ありません。
4月の声を聞くと、「また クラスを受け持ちたいな~」という思いがわいてきます。
ひとつひとつ クラスを作り上げていく 楽しさ。
子どもたちとの 信頼関係が 生まれていく 喜び。
胸にこみあげてくるものが あります。
たくさんの感動を 与えてくれた 子どもたちに、今でも 感謝しています。