こんにちは。KANZOです。

 

今回は上司の立場から、部下から退職の意向を伝えられた時に引き留めるかどうかについて書いてみようと思います。

 

これまでの退職届を受け付ける役職を経験しましたが、何度経験しても精神的にきつく慣れるものではないなと感じています。(慣れたくない)

 

退職理由が結婚や出産、育児、介護、病気、配偶者の転勤等、本人にもどうにもならないことが理由ならまだ救われます。

 

しかし給料や福利厚生、仕事内容、人間関係のような「将来性」に原因があるパターンだと応えることができなくて申し訳ないなという気持ちになります。

 

問題は引き留める余地のある職員に対して、引き留めるか否かということです。

 

この時私は次の判断基準をもとに決定してきました。

 

まず二つの問いを自分自身に投げかけます。

  1. (退職希望者を)もう一度採用面接をした場合、採用するか。
  2. 退職を伝えられた時、深く失望したか、それともほっと胸をなでおろしたか。
この時「採用する」「深く失望した」場合、法人にとって適切な人材であると判断し全力で慰留します。
 
慰留できなくても「いつでも戻ってきていいよ」と伝え、職場を離れても連絡が取れる状態にしておきます。
 
逆に「採用しない」「ほっと胸をなでおろした」場合、引き留めをしません。(とはいえ退職理由の本人、周りの従業員へのヒアリング、改善の実施は同じようにおこないます。)
 
この考え方は日経BP社が発行しているベストセラー「ビジョナリーカンパニー②飛躍の法則」内に書いてある判断基準です。(前巻があります)
 
私が常々仕事における判断能力を磨くために特に愛読している本で、良さを書き出したらきりがありませんが、世の経営者は一回は必ず読む名著です。
 
この判断基準で決定することによる最大のプラスは「最高の人材の離職を防ぐ」ことです。
 
この判断基準で引き留めないような人材を引き留めるとどうなるか。
 
例えば「今は人がいないので慰留」とか「仕事は早いので慰留」、「遅刻早退はないので慰留」といった判断基準で引き留めた場合です。
 
結果として他の何の問題のない「人がいなくても何とか支えてくれる従業員」や「仕事が早い従業員」、「遅刻早退がない従業員」といった「最高の人材」が不公平を感じて離職する原因になりかねません。
 
昔尊敬する上司に、「優秀な人材がやめていくのは、会社に問題があるときだよ。」と言われたことがあります。
 
逆に会社が良い状態なら優秀な人材が残り、問題ある人材は残り続けることができなくなるはずです。
 

「最高の人材」の離職を防ぐためなら、上記の判断基準に合わない人材は残すべきではないのです。

 

そういった人を残してしまうと短期的に必要でも長期的には害になることになります。

 

これは一見冷酷に見えますが、「最高の人材」にとっては安心して働ける職場を作るという意味で厳格です。(厳格であって冷酷ではない)

 

役職者には組織とそこで働く従業員の「心理的安全性」を担保する必要があります。

 

この判断と実践はとても精神的な負担のかかる仕事ですが、同じ部署の従業員ははどう判断するか注視しています。

 

そのことを念頭に置いて自分を奮い立たせて、今後も仕事していきたいと思います。

 

同じような境遇の人がいたら一緒に頑張りましょう!