大大先輩、杉野さんの訃報を今朝知りました。

杉野さんは、
私にクラックを教えてくれた師匠であり、
日本のクライミングを創り上げてきた父であります。

クラックで鍛え上げられた手のひらは、軽く私の倍の厚みがあり、まるでグローブですね!と、
当時、「気をつかう」ということを知らなかった私が、杉野さんに大変失礼な言葉を言い放ち
人間の手の進化を目の当たりにしてびっくりした記憶があります。

とても穏やかで優しく、この一指相伝の企画でクラックにビビって、トップロープでテンションしまくっても
一言も怒られずに😅
優しいなぁ‥☺️と緊張がほぐれてトライできた記憶があります。
(いつもなら、他先輩方から、もっと突っ込め!落ちるなら一手出して落ちろー!と言われてたので、怖くてそんなもん出来んわー!と思いながら登ってたので、余計に優しかった😭)

クライミング用語は杉野さんのホームページからすべて勉強しました。

1番印象に残っているのは、こんな会話。
当時岩場のチョーク問題があった時、

「杉野さんは、チョークを使うこと、どう思いますか?」
と聞いたら

「うーん、そこ、自分は神経質じゃないんだよね、いーんじゃない?使っても。」

と、あっけらかんな感じで言われたこの言葉に衝撃を受けた記憶があります。

大先輩からは、もちろん岩を大切にするには使わない方がいい!と言うに決まってると思ってた私。

「だってさ、マット使わないクライマーはいるけど、チョーク使わないクライマーはいないでしょ。チョークはクライマーにとって必要なんだよ。ないと高難度は登れないしね。ようは、後でキレイにしとけばいいだけじゃん。」

私はこの言葉を聞いて、
何かクライマーとして自信が持てた記憶があります。

チョーク使って岩を汚くくるクライマーなんて、排除だ‼️

なんて感じで、
なんて肩身の狭いスポーツだなぁと自信が持てずにいましたが、

いやいや、どうしても必要なんだから使わせてくれよ、そのかわり、現状復帰に努めるからさ‼️

そう言える自信の持てるスポーツであれば、
と、若いながら当時感じた記憶があります。

それから何年もお会いしていませんが、
岩場やコンペでクラックが出るたびに、いつも杉野さんの教えを思い出していました。

これからも心の中で、私のクラックがの師匠であり続けていくと思います。

ご冥福をお祈りします。