昨日、フジテレビのバイキングにて
オリンピック代表選手選考変更問題について
話題を取り上げることとなり
出演させていただきました。

番組の構成や時間の関係もあったり
調停中ということもあり事実関係が公になっていないので、
憶測な部分も多々あり
不十分なところもあったかと思います。

私も自分の認識不足などあることに気がつきました。


まず、私の反省としては、メディアや日本語のものなどの発表のまま知識に入れ、
英語原文に目を通さず、熟読しなかったことを大いに反省し、読み込んでみました。

いくつか今回の騒動の疑問点を出していきます。

また、記事について私の認識、解釈の相違があれば、ご指摘ください。
 

まず、今回の騒動とは。

世界選手権で7位以内に入った選手に出場枠が与えられるのですが、今回日本人が男女とも7位以内に4人いて、


日本としての
最上位の選手を内定し、次位の選手は、枠だけ取る予定が
次位の選手が国際側によって、勝手に内定されてしまい、さらに、開催国枠も勝手に再配分され、
8人の内定選手が出ている。


ということだと考えます。



とりあえず日本側と国際側の解釈の違いが考えられるのは


●出場枠とは、内定枠か無名枠かの解釈の違い
●枠の名指し解釈の違いとその期限
●開催国枠が自由に使えるものか最終的救済枠なかの優先度の解釈と違い 
●開催国枠の辞退、使用の期限の解釈の違い
●Event Specific Quota:2 athletes per eventの解釈の違い

かなと思います。

文章が下手なので、まとまりがないと思いますが、こんな目次で書いていきます。


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◎前置き◎
●ワールドカップの出場枠とオリンピック出場枠の違い
●今までの選考の解釈と認識 


◎疑問点◎
●by name の枠の考え方
●2 athletes per eventの解釈
● 開催国割当枠の解釈 
●pathway の解釈 

◎私が考える今後の対策◎


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◎前置き◎



●ワールドカップの出場枠とオリンピック出場枠の違い

ワールドカップの派遣選手などは、
IF枠とNF枠があり、
IF枠は前年の世界選手権優勝者やランキング10位以内など、前試合などの結果によって、選手自身に与えられる国際枠です。

NF枠は最大数が決まっていて、日本選手が上位に入ればその分、枠だけが日本に与えられて、その枠に誰を入れて派遣させるか?は日本での選考に任せられるという認識をしてます。選手自身の枠というより日本チームの国別枠なイメージです。

ですので、NF枠は、A選手が枠をとっても、枠をとった選手が入るかどうかはわかりません。A選手が取った枠にB選手が入れられることもありえます。

NF枠は数が決まっているので、IF枠を沢山取ることでより多くの日本選手を世界に送り出すことができます。




オリンピックの枠はどうなのか?
出場枠と開催国割当枠があります。
3つの国際的な選考大会によって決まる出場枠と開催国ならではの枠。

あと日本にはおそらく関係ないだろうが、三者委員会招待枠があります。
全部合わせて男女各20枠。


この枠の解釈が
選手と枠が合体したIF枠のようなもの(下記で内定枠と名付けます)なのか?
枠だけで選手のいないNF枠のようなもの(下記で無名枠と名付けます)
なのか?の解釈の相違がまずあります。


●今までの選考の解釈と認識 


今までの日本語で書かれた
日本における選考認識をさくっと言うと、


日本側の発表した解釈は
「世界選手権」最大2無名枠
「オリンピック予選大会」で最大2無名枠、  
「大陸別選手権」で最大1無名枠
を獲得した無名の出場枠に対して、
出場枠を最初に獲得した最上位の選手男女各1名を代表に内定させ、残り1枠の無名枠については、
コンバインドジャパンカップの成績上位者に与えるとしていました。

枠は無名枠で、それを最大限にとるという解釈です。

とった無名枠にどの選手の名前を入れるかは日本側で決めるという解釈。



男子もしくは女子のみで考えてみます。


・内定者がなかなかでない場合
世界選手権で7位以内かつ、日本人最上位を内定。最大2枠取れる。
(内定者がひとりも出なければ。つまり枠がひとつも取れなければ)
オリンピック予選会で6位以内。最大2枠とれる。
世界選手権で内定者が出なかった時は6位以内かつ日本人最上位者が内定。
(それでも内定者が出なければ。つまり枠がひとつも取れなければ。)
大陸別選手権の優勝者に1枠でこの選手が内定。
(それでも内定者が出なければ)
日本には開催国枠があるので、3つの選考大会に少なくとも1つは出場した選手のうちコンバインドジャパンカップ最上位者が内定。




・今回のように早々と内定者がでた場合


世界選手権で7位以内かつ、日本人最上位の内定者がひと枠決まる。
またもうひとり7位以内がいた場合、無名枠(まだ誰になるかわからない出場枠とする)を1枠確保
オリンピック予選会では2人目の内定者は出さず、6位以内に入れば、無名枠だけ最大2枠獲得できる。
大陸別選手権の優勝者になれば、無名枠1枠獲得。
そうすると最大で無名枠が4枠。
無名枠を1枠獲得なら獲得した選手が内定。
無名枠を2ー4枠獲得なら獲得した選手の中でコンバインドジャパンカップ上位者が2人目内定。
無名枠を獲得できなかった場合、開催国枠を利用して3つの選考大会を少なくとも1つは出場した選手の中からコンバインドジャパンカップ最上位者が内定。



という解釈でいました。



考えてみれば、こう言った選考をすれば
日本人がとりあえず枠を取るだけ取って2名まで絞り、オリンピックのギリギリで捨て、捨てた枠は他国に再配分となれば、
他国の選手の内定が遅れ、たまったもんではない気もします。



◎気になる疑問点◎

英文を読むといろいろ解釈がたしかできるかもしれません。

規約に書いてある順に疑問点を出してみます。

●by name の枠の考え方

The quota place is allocated to the athlete(s) by name.

出場枠は名指しで選手個人に与えられる。

とあります。

しかし、いつ?誰が?
名指しできるのか??
明記がありません。

枠を取った時点なのか?あとからなのか?あとからでもいいのか?
日本が名指しするのか?
国際側が名指しするのか?


日本側は日本が後からオリンピックまでに名指しであれば良いと解釈し、無名枠扱いと解釈。
国際側は出場枠を取った時点で自動的にその選手と解釈し、内定枠扱いと解釈。

ここに相違が生じたのでしょうか?


ただバイキングのお隣の専門家の方に聞きましたから、
枠を取った時点で取った選手という認識らしいです。
この認識の違いはありえます。


ちなみに開催国枠はby nameとは書いてありません。



●2 athletes per eventの解釈


この英訳が一番問題です。
この表記があるがために、
出場枠が内定枠なのか?無名枠なのか?解釈がわからなくなってます。

まず、

Maximum Number of Athletes per NOC

Quota per NOC:2


国別最大で2枠

これは、わかる。

で、

Event Specific Quota:2 athletes per event

ここの理解ができておりません。

これは、各大会2枠取れるということでしょうか?
各国最大枠が2枠であので、
わざわざ上記のような表記する必要もない気がします。


そうすると、
枠という認識は
無名枠の解釈になる気もします。

ここに解釈の大きな相違がでてくると思います。

ですので、日本側は
世界選手権で最大2枠、オリンピック予選会で最大2枠。大陸別選手権は優勝者のみ枠が与えられるとあるので1枠。と解釈して進めた。

1枠の大会もあるけど、大会ごとに最大2枠獲得できるからね、と解釈もできます。


また日本語では
per eventのところを

種目
と訳されていますが、

Qualification Event
は 
選考大会 
と訳されているので、

種目とは何ぞや??と疑問です。 


同じ単語を種目と大会と2種類の訳したのはどういう意図でしょうか?

分かる方がいらしたら、ご指摘願います。


と私はちょっと解決していません。
英語が深く分かる方は教えて欲しいです。


もし、eventが大会という解釈なら、

Event Specific Quota:2 athletes per event

大会ごとに最大2枠獲得できる

と解釈して良いのでしょうか?



✴︎追記2019.11.29✴︎

Event Specific Quota:2 athletes per event
について

「枠(quota)」というセクションに書いてあったので、
こんがらがって勘違いがうまれましたが、

各大会、各国2選手までが出られる

という解釈だそです。(日本の各メディアが記載している日本語だと)


しかし、現時点で、2019.11.28からフランスで行われているオリンピック予選には、
日本人男子選手は4人出場しています。

よくわかりません。
やはり、ここで解釈の大きな違いが生まれそうです。







● 開催国割当枠の解釈
これが大きな問題です。


HOST COUNTRY PLACES

The Host Country is guaranteed one (1) male and one (1) female athlete, on the condition that the athletes meet the eligibility requirements described under section C of this document and that the athletes participate in at least in one (1) of the events mentioned in section D “Qualification Pathway” of this document.

セクションCとは、選手のドーピングなど倫理的な問題がないかどうかについてです。

セクションDとは、3つの選考大会のことです。


これを見ると、
今までの解釈で、
無名枠をとった選手のみで
コンバインドジャパンカップでの開催国枠を争う予定でしたが、

別に枠をとっていなくても、選考大会に出場さえしていればいいわけです。


日本側が枠を取った選手でコンバインドジャパンカップで争うとしたのは、

国内の選考上、トップ選手(予定枠をとれる実力のある選手)での争いに持ち込むため、
枠を取った選手と表現しそれに限定していたのでしょうか?


枠、枠といってますが、
単なる、日本でのコンバインドジャパンカップ選考のための出場資格者というだけのことでしょうか?


しかし、協会の文章を読むと出場枠と書いてあり、単なる出場資格者という意味合いには思えません。

しかし、ここからがさらにおかしくなります。




女子で考えます。基本的に男子4人が7位以内に日本人がいて考えは同じです。


1 ヤンヤ スロベニア
2 野口 日本
3 ショウナ イギリス
4アレクサンドラ ポーランド
5野中 日本
6森 日本
7伊藤 日本
8ペトラ スイス
ーーーーーーーーーー
9ブルック アメリカ
10ジェシカ オーストラリア

(8人決勝進出、7枠確保)



今回の場合、おかしなことは、
2パターン考えられます。


日本側が
・出場枠を辞退してた場合
・出場枠を辞退しなかった場合

です。

・出場枠を辞退した場合

出場枠を国際側が考える内定枠と捉えれば、
当初予定していた日本の手順を踏もうとすれば、
2人目の野中選手が出場枠を取ったとしても、実際は辞退という形の手続きになります。

(しかし、オリンピックギリギリに後ほど日本側の判断した選手を名指しでも良いと解釈していたとすれば、通常辞退はしないでしょう)


野口選手が内定で出場枠を1枠使い
野中選手も出場枠を一旦獲得。その後辞退。
辞退しなければ野中選手に決まってしまい、コンバインドジャパンカップでの最終決戦に持ち込めない。
2人目枠となった時点で、野中選手は開催国枠で後日選考させる予定。


しかし、
協会の規定に 

ジャパンカップの選考は出場枠を有する選手


と書いてあるので、枠を取っただけで
実際は枠を手放した選手となるはずなので、ジャパンカップでは戦えなくなってしまいます。


また、

〜辞退しなければ野中選手に決まってしまい〜


「辞退しなければ野中選手に決まってしまう」

つまり、出場枠は、即座に名指しされる内定枠であり、無名枠ではないと
日本側は解釈していた、ということになってしまいます。


このようにいくつか
矛盾が生じてきます。




また、日本が野中選手の枠を辞退したとしたら、
森選手、伊藤選手にも、一旦枠がまわってきたが同じく辞退という形を取ったのでしょうか?
疑問ですが。
その後辞退して空いた枠は下り下り10位のジェシカ選手へ行き内定。



これで世界選手権では7枠。


しかし今回、野中選手が内定?となり8枠決定となったのが騒動なのです。

野中選手は出場枠を辞退し、
開催国枠を勝手に使われて内定したということになります。

ちょっと、ややこしいです。


可能性が低いパターンかもしれません。


・出場枠を辞退しなかった場合


こちらのが話が簡単で可能性はありえます。

出場枠をいつでも名指してきる無名2枠(即座に名指しで内定を1枠、後日名指しを1枠)
と解釈している日本側が、

2枠確保します!

と国際側に通達した時点で

国際側が最大数の2枠を日本が使い、出場枠最大数を使ったので開催国枠を辞退した、
と考え、
10位のジェシカ選手まで日本の開催国枠辞退の再配分で内定が回ってきた
と考えることもできます。


しかし、日本側からすれば、国際側が勝手に開催国枠を辞退させた!となります。

おそらく、この
開催国枠の解釈(あくまで救済枠というのと、開催国が自由に使えるような解釈)
開催国枠の辞退の解釈(開催国枠が辞退の意志をだれが示せるのか?)


一番問題があるように思えます。



では?開催国枠の辞退するかどうかはいつ、誰がするのか?
開催国枠の使用、辞退、その使用時期は、どこまで日本にまかせられるのか?

そこまでの明記まではありません。

開催国が開催国枠を使用しない場合、世界選手権の出場枠を持っていない最上位者となるとは書いてあります。

ということは、やはり、日本が、開催国枠を使用しない!と意思表示しない限りは放棄できないのでしょうか。



おそらく、ここにひとつの大きな解釈の相違が生じます。



バイキングの専門家の方のご意見ですと、
開催国枠はあくまで選考大会で内定者が出なかった時の救済枠と言っていました。

ただ、最大の内定枠が出た時点で開催国枠が自然消滅するのかどうか?までは聞けませんでした。



協会側の話ですと、
当初、国際側が決めた選考大会と割り振られた枠の数で自動的に選手を決めていき、国ごとでは選手の選考をしない予定だったそうです。
むしろ、日本側にしたら、わざわざ細かい選考基準を考えなくて良いのでラッキーくらいだったそうです。


しかし、
開催国枠の使用、辞退、枠の名指しも日本の裁量でお願いしますよ、
出場枠を取って辞退するか?どうか?各々の国で決めて良いですよ、



となったとしたら、


日本側で決められることもたくさん出てきます。枠の辞退や開催国枠の使い方、決め方。
作戦立てができます。

勝ちにこだわるのももちろんですが、
急成長著しい選手がたくさんいるし、ギリギリまで待って
より多くの選手にオリンピックの機会を与えたい、という強い気持ちがあったとも聞いています。





●pathway の解釈

QUALIFICATION PATHWAY

QUALIFICATION PLACES
The qualification events are listed in hierarchical order of qualification.

日本語訳では
PATHWAYは選考手順  
とあります。

世界選手権、オリンピック予選会、大陸別選手権で内定を決めます、のことです。

気になるのは
hierarchical

ヒエラルキーというと、なんか、階級的、ピラミッドみたいなニュアンスに感じてしまいますが、
以下の順番が優先的という意味合いもあるかもしれません。
段階を踏んで決められていくという感じなのでしょうか?
英語が深く分かる方ご指摘ください。
  
これを国際側が主張しているのでしょうか?
世界選手権で内定が優先だから、野中選手をまず優先的に内定しろ!


みたいな解釈でしょうか。

もし、hierarchicalが優先度的な意味があったとして、
このhierarchicalはqualification events(選考大会)かっていて、

出場枠と開催国枠と三者枠の優先度は明記がありません。
ただしpathwayの意味合いに
下記の書いてある順番で優先的に、順序立ててなど
の意味合いがあれば、この順で決められるということになるかもしれません。

英語が深く分かる方は教えて欲しいです。

もちろん出場枠が全く取れなかったときの、最低限の救済枠だとも明記もありません。
先のように出場枠を取っても辞退することで、出場枠が取れませんでしたので開催国枠使いますとしても、悪くないと解釈できます。






取り止めのない、だらだら文章になってしまいました。

とにかく規約の解釈が難しくまた細かいところまでの記載がないので、
協会の方も、
こうなった場合は?
ああなった場合は?

といろいろ想定して国際側に選考案を提示して
よりよい選考にしようと、大変な努力をしているかと思います。

ただのおっちゃんたちではなく、
ハイスペックなブレインククライマーの方々ですら
解釈に苦しむのですから、大変です。とくに、みんな、はじめての大会ですから。



◎私が考える今後の対策◎

●獲得枠とその優先順位の明細の表記

選手がいつの大会で、何枠で内定したのか?
もしくは枠を辞退したか?どうか?がホームページで明記がされればもっと、わかりやすいと思いました。

せめてそうすれば、
ジェシカ選手が勝手に開催国枠放棄させられそれにより再配分された枠なのか?
野中選手が開催国枠を勝手に当てられたのか?それとも出場枠なのか?

それによって、論争がまた、変わってくる気がします。

●開催国枠など詳細明記


規約を読んで思うのですが、
あまりに言葉が少なすぎで、簡潔に書かれてい印象です。 
え?こんなもん?ページ少ないない?と感じました。どうなんでしょう。
もう少し事細かに書かれていても良かったと思います。

開催国枠についても

いつ、どこで使えるのか?
使用や辞退に関して誰に一番権限があるのか?
使用期限はあるのか?
枠の決まる優先度。
など。
もう少し事細かに書いてあればと思います。

枠は名指しで決められるとの表記も
これも、いつ?誰の権限で?
など、もっと詳細が必要に感じました。

そうすれば解釈の相違はなかったのかな?と思います。




●モデルケースの提示
審判に配られるルール冊子には、過去のルートなど
例を出して説明が書いてあったりします。

例えば
架空の国でのケースを2.3出して
この国の場合この選手がこうやってオリンピック内定していきます。
ああなった場合にこの枠は自国の選考で自由に使えます、など
あったらどうかな?とも思いました。




この件で、
  
自分の解釈の力量不足も、勉強不足も、改めて認識し反省しました。調停中で事実関係が分からず憶測が多いところも大変失礼します。

私の認識違いについてはご指摘願えればと思います。
特に英語は辞書英語の表面的な意味しか理解できていません。

Event Specific Quota:2 athletes per event

の意味についても解決できてません。


最後は選手の納得のいく選考結果になればといいと心から願っています。