先日のスピードクライミングジャパンカップ、選手解説編です!


寒波の影響で雪も降りそうな身も震える気温の中、選手にとってこの寒さがパフォーマンスに影響するかなり厳しいコンディションとなりました。


10秒足らずで勝負が決まり、一度のフライングやフォールでも記録が残らず最下位となってしまう厳しいルールのなか、選手はかなりの

"集中力"

が求めらます。観客も固唾を飲んで応援するという、緊張感が味わえるのです😆

早速結果はこのようでした!

男子
1位:池田雄大(千葉県山岳連盟)
2位:藤井快(TEAM au)
3位:抜井亮瑛(香芝市立香芝北中学校) 
女子
1位:野中生萌(XFLAG)
2位:伊藤ふたば(TEAM au)
3位:野口啓代(TEAM au)



(優勝の池田選手と野中選手)


それでは、選手の解説&私のインタビューも交えてみていきましょう☝️


優勝池田雄大選手
池田選手は、日本で唯一のスピード専門選手として、活躍されています。
7秒の壁を超え、6秒台を記録していますが、6秒台は他にも楢崎選手、藤井選手、緒方選手など出しているので、ライバルは多いのです。

池田選手は
優勝した実感がないと言っていましたが、
予選からうまく試合の波にのり、流れを自分のものにしていた感じでした。
いうなら、勝負の女神が予選から背中に乗っていた感じです。

実況のコメントや観客までも味方につけられた試合だったようで、
トーナメントの対戦相手も自分にとっていい組み合わせだったと感じたようです。

の試合に向けてスピードの練習をかなり積んで、他の選手に恐れられる存在となっていることを実感できた池田選手は、相手にプレッシャーを与えられたのも武器となったようです。


池田選手は、スタート準備の掛け声とともに、次に置く左足のフットホールドを見て
集中し、初速の勢いで登り切るというスタイルです。

まだまだ世界のトップ選手と比べてしまうと登りに雑な部分もあり磨けるところは見受けられるものの、これから世界に通用できるよう、まずは日本新記録に向けてさらにトレーニングを積んでいってほしいです!


(左藤井選手、右池田選手のグランドファイナル)

優勝野中生萌選手
一方、女子優勝の野中は、優勝のみを見つめ、かなりこの試合対して気合が入っていました。
民間ファインディングを募って、自宅近くに自分専用のスピード壁を作りトレーニングを積んできました。
また、下半身のバネの強化に取り組みミスを少なくするよう意識して登ったといいます。

とにかく目の前のことだけ見つめ自分のやってきたことに自信を持つことで集中するスタイルの野中選手。過去の栄光には振り返らず、練習してきた過去だけ見つめることを意識しているそうです。

本番ではトレーニングで培った太ももの引き上げがひかっていて、力強い登りだったんですが、
逆に頼りすぎてしまってのか?足首のバネが生かされていない登りでした。まるで足を痛めてるように、足をそーっとそーっと置いている感じでした。おそらく、スピードをやっていると、フットホールドを見る余裕がなく、フットホールドにきちんと足が置けなかった時、乗り込んで滑って落ちるのが不安な要素でもあります。
そこを太もも上げの強化で、足がうまく乗せられなったとしても、体を押し上げていくという作戦をとったのだと思います。

また、少々顎が上がりすぎて推進力が後ろに向いてしまいロスが生じてしまう場面が多いのと、
ムーブの覚え込みを強化して、足首のバネも使えるよう改善できればあと1秒は縮まるように感じられました。
これからの磨き上げに期待がかかります!



(左 野中選手 、右 伊藤選手 のグランドファイナル)

2位藤井快選手

後半の上部で追い上げを図るスタイルをとった藤井快選手。
呼吸を意識することで集中して登ることができていたと言いいます。呼吸をルーティン化していい緊張感に保つ方法。

本人的には、今回の極寒の悪コンディションでもベストを尽くせたと満足だったようです。
だだ、もう少し身体のバネに磨きをかければ、優勝も狙えると感じました。リーチがあるから有利だとかはあーだこーだ言いたくないですが、とはいえ藤井選手にとっては、届いていまいます。
届く登りが悪いわけではありません。むしろ武器です。
しかし、その武器を使ってばかりだと、ひとつ壁は超えられなく見えます。つまり、他の選手比べて届く範囲が広いけれど、届くからこそ他の選手と比べてバネが足りない。
そこを磨けば優勝は確実です。




3位抜井亮瑛選手
中学生ながら、そつのない完成された登りで3位にこぎつけました。この歳にして登りがかなり出来上がってるので、ここからどう伸びていくかるのが気になるところではあります。この歳で改善点が少ないということは、逆にいうと伸びしろが少ないとも言えます。

一つ武器となる自身の登りを発見できれば、これからも安定した成績が残せるように感じられました。


(左  抜井選手、右 楢崎選手のスモールファイナル)

2位伊藤ふたば選手

野中選手と大接戦となった2位の伊藤ふたば選手。
身体のポテンシャルどの選手よりあります!
ただ、今回集中が途切れることがあったのと、体幹の出来が少し甘かったのが競技中目立ってしまいまいました。

目標とする選手などいますか?と、私は意地悪にインタビューしました。
その質問に、ヤンヤガンブレットのようになりたい、と答えていました。

うーん!残念!
私としては、次回は、いません。とか、とうに現役じゃない選手とか名前を出せるくらいになれたらな、と感じました。

現役の選手を自分の目指す選手にしている時点で、
無意識に自分は2番手になっているのです。
伊藤選手は、その2番手意識がまだ抜け切れていない。

彼女のポテンシャルは世界一です。みんなから目指されている私。私が1番だ、私以外強い選手はいない!
くらいに意識づけできたら、一気に駆け上がるのになぁと思います。




3位野口啓代選手
どの選手よりもひときわアップに力を入れて、丁寧な登りで下半身をうまく使えていた。しかし、伸び上がりがいまひとつたりなかった感じです。野口選手は、グイーン、グイーン?とバネが伸び縮みして登るというより、びよーん、びよーんとバネが伸びっぱなしで、よいしょっと縮めていく登りをします。その伸びっぱなしの時に本来は、びよーんと振られて剥がれていくのですが、そこは、強靭な保持力で押さえ込んでいるのが、彼女のすごいところです。


(左 中村選手 、右 野口選手のスモールファイナル)

その他、メダルには至らなかったが今後伸びてくる注目したい選手は、

男子は緒方良行選手
予選1位通過で6.935秒を叩き出してます。決勝でミスしていましい一回戦で敗退しましたが、緒方選手のスピード登りは、どの選手よりもうまかったです。足の先から手の先まですべてをうまく使って登っていました。
緒方選手は9位


女子は二宮凛選手
登りはまだまだ粗削りなものの、スタミナのある登りで身体のバネの使い方がどの選手より1番うまかったです。
彼女がもう少し練習を積めば、今後のかなりの順位変動があるはずです。


二宮選手は5位


というわけで、来年も選手のみなさん頑張ってもらいたい&観客の皆さんも楽しみ方がわかってくれればありがたいです😊








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