成美堂出版

「誰でもはじめられるボルダリング」

尾川とも子著、山下あかざ監修

発売中です!


購入していただいた方により深く理解していただけるよう、補足説明ができればとおもいます。

保持力のページ。

手の筋と骨から、大きく2種類の手の形をお伝えしました。

頭文字をとってU持ちとC持ちとします。


以前、野口啓代選手の解説のブログを書きましたが、山下先生と研究した結果、野口選手は、C持ちがものすごく得意ということが判明しています。ほぼC持ちで登っているといっても良いかも。

ただ、デメリットとして、解説のブログの時も書きましたが、C持ちは力が変換されず、もろに体に負担がかかるので、振られた時などに首や足などに、他の選手よりも大きく振られ、負荷がかかることです。また、手の平の力が集約されないので、体を持ち上げるのも、脇を締めるなどより大きな筋肉をわざわざ使わないと持ち上がらない。

それは、日常にも現れています。

野口選手の鉛筆の持ち方。C持ちで持っているのがわかりますか?U持ちなら小指が見えません。

この鉛筆の持ち方を子供の頃からしていて、ボルダリングにもその持ち方が出ているということになります。


ビギナーがどっしん、どっしん、体を持ち上げて登るのも、このC持ちがとっさの時に出やすいという特徴からというのも要因のひとつとしてありえます。だから重心が常に移動し、メリハリのない平面登りになりやすい。


では、野口選手は強いからC持ちをより練習すればいいのか?といえば、本には、メリット、デメリットが書かれてあります。

つまり、本来は、自在にどちら持ちも操れることが大切。操り方の練習も書いてあります。


C持ちはまさしく、この、ちとちゃんのスプーン持ちです。生まれ持った持ち方がです。しかし、写真は昨日の写真なので、もう、2歳のちとちゃんは、人差し指に親指そえて、お箸を保つためのU持ちの練習を自然としています。

つまり、C持ちが得意な選手は、幼少期からボルダリングをやっていることが多く、骨格がかわる時期以降に始めた人はU持ちが得意になる選手とも考えられます。骨格とは、男性なら喉仏が出てくる時期以降、女性なら生理が始まり骨盤が開く時期以降。


しかし、そうであっで鉛筆の持ち方のように24時間365日C持ちをしていれば、そちらが勝ることもありえます。だから日常トレーニングが大切なのです!日常の癖が、良くも悪くもボルダリングに知らず知らず出てしまう。


若手トップの伊藤ふたば選手や森秋彩選手なんかは、U持ちとC持ち兼ね合わせていますが、第1関節まではC持ちで手の平はU持ちといった、洗練されていない持ち方といって良いか?少し無駄があるといって良いのか?そんな保持力となります。


ちなみに私は、20歳以降に始め、U持ちが得意。C持ちが得意とするピンチやプッシュとかは大っ嫌いです。ピンチすら、U持ち出来ないか?とあれこれ探ります。そのかわりカチやポケットなどにねじ込む保持は得意です。


反面、C持ちが得意な野口選手は、カチやポッケをどうもっているか?というと、U持ちが得意な私は手の平にピンポン玉くらいの丸みをもたせてカチやタンデュをさせますが、野口選手は、平らにしています。それが、C持ちの特徴でもあります。


アダムアンドラのトレーニングとしてのこの不思議な持ち方も、本人は、こうするとパンプの場所が変わるのでパンプのトレーニングになる、といってますが、

おそらく、アダムオンドラも、もともと野口選手同様C持ちが得意であるが、この持ち方により、U持ちになるので、パンプの仕方もたしかに変わって、保持力のトレーニングにもなっているのだと思われます。


このアダム持ち方のすごいところは、人差し指を伸ばすのではなく、丸めて「エア持ち」してきちんとU持ちさせているところです。エア持ちも本に書いてありますので、ご参考に!


というようなことを山下先生と研究してきたのですが、そこまでは本に掲載できませんでした😅


(Learned by シンクロセラピー山下あかざ先生)