今日の塩原は、
かなり、暖かった!
先週の暴風警報の塩原とは打って変わった天気でした。

しかし、岩は冷たいので、
結構かじかみます。

ムーブをつなげてみるものの、
少し、ルーフ慣れができてなくて、
よれて落ちる感じでした。

シーズン初めなので、ムーブの確認がてらのトライ。

ただ、ムーブの完成度は落ちていなかったので、
取り合えず、今日のところは、目標達成でした。

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さて、コメントに質問が来ておりましたので、
ここで、回答したいと思います。


「尾川さんがカタルシスを登るにあたって、ダニエルウッズがやっていた、カチ持ちとオープン持ちを交互に繰り返すトレーニングをやったと雑誌で拝見しました。
私も自分の指力不足を感じているので、そのトレーニングを行いたいのですが、オープンは4本でいいのか、持ち方を変えるのはデッド気味に両手を一片に変えてしまっていいのかなどやり方を詳しく教えて頂けると幸いです。」


やり方ですが、
4本指でやります。3本だときついと思います。私はできませんでした。
オープンで持ちます。


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それから、ゆっくりとクリンプにしてきます。
親指を完全に人差し指の爪にあてがるまで、持ち上げていきます。


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持ち方を変えるときは、デッド気味か?とのことですが、ゆっくりです。
というのは、こう考えてください。
岩場で次の手を出した時、指の先しかかかりませんでした。
それも、フルリーチ(パツンパツン)だったと思ってください。
それから、体をグーッと持ち上げてひきつけなければいけません。
そのために、ホールドにかかったわずかな指先をデッド気味にクリンプにするのは、
かなりリスキーなことは、イメージがわきますか?

そうすると、ゆっくりじわじわ、クリンプに持ち帰る練習をした方が、
より実践的ということだと思っています。


オープン①からクリンプ②ができない人は、
まず、クリンプ②からオープン①におろしていくことから始めた方が
できやすいと思います。


そして、このトレーニングはかなりの指の負荷がかかります。
毎日やるものでもありません。毎日やったら、必ず、指を痛めます。
少しずつ少しずつ、
何か月単位、むしろ、1年後の自分成長、という具合に、
かなり長い目でみて、トレーニングしないといけません。
即効性がないということです。


逆に、即効性が出るようなトレーニングは、
ケガにつながるか、
もしくは、すぐ効果があっても、すぐに薄れてしまうものだと私は思っています。
その時の、いわゆる火事場のくそぢから的な物が働いているだけ、
と考えた方がいいです。
断食ダイエットした後のリバウンドと一緒といった方がわかりやすいでしょうか?


毎日の変わらないような小さい変化で身につけていったものこそ、
本当の自分の身になっているトレーニングだと思った方がいいと考えます。
ダイエットと一緒です。じわじわ痩せた方がリバウンドしにくい。


もう一度、R-30ボルダリングの心得4つを言いますと、


一、毎日0.01mmのチリの積み重ねが山となる。
一、体はすべてつながっている。
一、心が体を作って、体が心を作る。
一、人間、食べたもので体ができている。



このトレーニングは、
クライミングジムで登る前にやりました。
ただし、ストレッチした後です。
手のストレッチだけではなく、全身のストレッチの後です。
(一、体はすべてつながっている。)からです。


これに関しては、きちんと姿勢を正してから、トレーニングをするのも、ものすごく大切です。
たとえば、猫背のまま、トレーニングしても、
単なる自己満足というわけです。ただ、回数をこなしただけと思って下さい。
正しい姿勢でやったトレーニングこそ、正しい筋肉がつきます。

壁などあったら一度、正しい姿勢になっているか、確認したのち
トレーニングを始めるのが有効だと思います。

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私が、実践してきた具体的な回答を言えば、

まず、最初の1か月は1日たった3回しかやりませんでした。
しかも、それを週3回ほど。

2か月目に5回に増やしました。これも、週3回ほど、だから、1日おきくらい。

3か月目に8回に増やしました。

4か月目に10回。

5か月目に10回を2セット。
セットカウントは10分くらい休んでいたのを5分、3分と縮めていきます。

6か月目に10回を3セット。

という具合に徐々に増やして行きます。

旦那さまのが先にこのトレーニングを始めていたのですが、
彼は2年目には10キロの重りを背負って、10回を3セットできるようになっていました。
(一、毎日0.01mmのチリの積み重ねが山となる。)というわけです。


そのあと、ケアは忘れずに!
縮めた指の筋肉と反対の筋肉を反らしてきちんと伸ばしてあげることが
とても重要です。

ぎゅーっとグーにして、パッと力を抜いたりする手のストレッチも有効です。


とにかく、注意することは、
明日から
トレーニングやるぞ!といって、いきなり、30回とか、やらないようにしてください。
必ず、3日後に指を痛めます。


あと、どんなトレーニングに関しても、もっとも重要なことは
「己の身の丈を知る」
ということです。

これは、宮里藍ちゃんも言っていて、私もまさに!と思ったことです。
上から目線で相手を小ばかにするように言っている言葉では決してなく、

つまり、
私は3回から始めましたが、
ひと、それぞれで、始める回数は違うということです。
もしかして、ぶら下がるのもいっぱい、いっぱのの人が、3回から始めたら、
私が30回から始めるのと同じ負荷になってしまいます。
そういう人は、まず、ぶら下がらなくとも
キャンパシングに足をついた状態から、始めるということです。

ダニエルウッズのように強いクライマーだったら、
3回から始めても負荷が少ないでしょう。

ただ、私も、旦那さまも、初めから、いきなり30回とかできたわけではないので、
少なくとも、
いきなり、30回とか、やれば、必ず、3日後に指を痛めます。と、言うことです。

トレーニングにおいて。
「己の身の丈を知る」
のはとても、大切です。

他の人の全く同じまねをしても、同じように効果が出るわけではありません。
自分自身の体力、限度をしっかり見つめてやらなければいけないと思っています。
ついつい、ほかの人が自分より回数できてしまうと、あせってしまいがちですが、

昨日の自分、1週間前の自分、1か月前の自分、過去の自分と比べるように心がけて下さい。
私も、これに気をつけました。



あとは、とにかく、続けることです。
言い方は悪いですが、
どんなに自分がセンスのない、才能のクライマーだと劣等感があったとしても、
続ける才能だけは、生まれ持って誰しも備わっている、唯一の才能です。


それを生かすも殺すも、あとは、自分次第ということです。

あとは、回数をこなすことだけをメインにしてしまうと、
目的を見失ってしまいます。

指の力をつけるというより、トレーニングの回数の達成感が目的となってしまい
本末転倒になってしまうのだけは避けてくださいね。


あの岩が登りたい!など、目標をもって、やってみて下さい。

あとは、楽しんで、
( 一、心が体を作って、体が心を作る。)ということです。
仕事のようになってしまうと、つまらないし、成果も上がりにくいと思います。