クライミングがオリンピック種目に追加されて、少し思うこと、パート2。
女子クライマーの妊活問題。

私が以前、「マツコの知らない世界」に出演させていただいたときに、私が22.3歳で のころ始めたと言ったら、
マツコさんが「あなた、ちょっと遅かったわね〜(オリンピックになる頃には年よ)」的なことを言われたので、
冗談めかしく、
「そうなんです!だから、私は解説者を狙っております(笑)」
「やだ、ここに腹黒い女がいたわよ!」

なんて、言われたのを覚えていますが(^_^;)
実際東京五輪の時には42歳になってるわけで‥(^_^;)
なかなか、「スポーツクライミング」の選手としては、絶望的な域に入るわけです。
世の中にはそれでも年齢や体力に関係なくチャレンジしていく方もいらっしゃってすごいですが!

でも、オリンピックになるというなら、せっかく私もメディアの仕事などしてきた経緯もあるので、
何かしら携わりたいなぁ、と思ってはいるわけです。

そうすると、これまた、女子アスリートとしての悩みも浮上してきます。


オリンピックになる可能性が濃くなってきたときに、
まず頭の中に「例えなったとしても、私にとって年齢的にも出られる体力の時期にはタイミングが合わない」と考えが浮かびました。

そうすると、どこで自分のクライミング人生の結果を残そうか?と考えた時、オリンピックでなく岩場しかありませんでした。
それが、私にとっての最高難度カタルシスを登ることでした。
しかし、1年たっても2年たったも登れやしない。

チャレンジを始めたのが32歳。35歳目前になってもまだチャレンジを続けていた時、
このままチャレンジを続けたいけど、いつ登れるかわかりゃしない、しかも、その時、結婚して6年目、子供のいる家庭にも夢を持っていたので、このままチャレンジばかりを優先して、女性として子供を産める時期を逃してしまうか?
ものすごく葛藤しました。

仕事のキャリアをもって働いている方もそうかもしれませんし、
やはり、アスリートもそうで、バリバリ働く時期と女性として妊娠できる時期がどうしても重なってしまうため、どこでキリをつけるか、本当に悩みどころだと思ったりしました。

そう思うと、ものすごく焦って、もう、今しかない、とチャレンジしたお陰もあって登れたのかもしれません。そして、34歳でカタルシスが登れ、35歳の時チク坊がおかげさまで私のお腹にやってきて。

でも、今度は、クライミングが本格的に東京五輪で追加される、と話題になると、
これまたいろいろ計算するわけです。

二人子供は欲しいなぁ、と。
そうすると、
もし私が東京五輪で何かしら携わりたいと思えば、 二人目を産んだ時に、東京五輪のときまだ妊娠中とか乳飲子がいるとなったら、自分の自由が全くきかない。だからと言って、二人目妊活を五輪が終わる42歳まで待つというのも、妊娠の可能性がぐっと低くなる。
そうすると、ベストは東京五輪のときに、二人目がすでに卒乳していることが絶対条件となるわけです。
ということは、40までには二人目が生まれてないといけない計算になる。

ということは、遅くとも来年の前半までには、妊活が成功していなければならないことになる!と。
しかも、初期流産または、不妊治療を始めてしまうかも、などのことも考えれば、もっと早いタイミングでないと間に合わないのです。

と、こんなふうに、30代に入ってからは、岩のチャレンジと二人分の妊活とオリンピックと
この兼ね合いがなんとも、大変でした。
岩のチャレンジも妊活もそうですが、登りたい、赤ちゃん欲しいと思ったって、なかなか思い通りにいかないのが、世の中です。

何が今自分にとって大事か、取捨選択しなければならないこともたくさんあります。

私は、おかげさまで
私の人生こうなりたい、こういうタイミングで、こうありたい!と強く願ったおかげか
思ったことが、うまく回ってくれて、
来月、二人目を出産する予定です。

人生計算通りにいったとはいえ、もちろん、岩のチャレンジには、死ぬほどトレーニングや努力したし、妊活も今まで酷使した体を癒すかのごとく、整体、温活、食事改善、ストレッチなどケアに、これでもかってくらいめちゃくちゃ時間をかけました。

何が言いたいかというと、
今の若手の女子クライマーの選手は、たとえば、体脂肪が減りすぎて生理がこなかったり、大会に向けて生理をコントロールしたり、スポーツ界では当たり前になってきてはいますが、
それが、いい悪いとは、私は判断出来ません、その子にとって、そうすることが今は最優先であると考えてのことだと察するからです。

ただ、私もひとつ、こういう女子アスリートとして妊娠、出産を経験して、
長期的な人生計画をもっていないと、いろいろなタイミングを逃してしまう危険がある、ということは、誰も教えてくれないんですよね‥。なので知っておくのも大切かな?と思ったりします。

難しい問題ですけどね。