奇跡の脳 | ハートフリースペースのSimple days

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心と体はひとつです。体が不調な時、心は何かを訴えている。 心が不調な時、体は何かを訴えている。
心と体に耳を澄ませて、ラクに、シンプルに生きることを大切にしませんか。

暑中お見舞い申し上げます


猛暑の続く日々,それだけで私たちは消耗しています

どうぞ普段にも増して,十分にお休みをとってくださいますよう


脳と神経の研究をしていた神経解剖学者の

米国人ジル・ボルト・テイラーさんは

37歳の時に脳卒中に倒れ,左脳が障害されました。

言葉や知識を失ったテイラーさんが8年のリハビリを経て

自身の体験を書いた本を読みました。


「奇跡の脳~脳科学者の脳が壊れたとき~」


奇跡の脳/ジル・ボルト テイラー
¥1,836
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この本には驚くべき人間の脳の柔軟性や可能性と

脳卒中患者の回復に役立つ実践的な内容が語られています


闘病しながらの科学者らしい好奇心と観察眼にも感動しますが

何より彼女がその体験から得た脳と心に関する発見(仮説)が

私のこれまでの体験と結びついて説得力があったのです


彼女は左脳に出血し

「歩いたり,話したり,読んだり,書いたり,思い出したりすることが

全くできなくなって」

「精神が死に屈するのを感じ」

「心の沈黙という奈落へ旅し」たのですが


「その旅の間じゅう,わたしという存在のいちばん大切な部分は

深い安らぎに包まれてい」たというのです


私たちは日常的に「考える」ことと「感じる」こと,という区別や

頭ではわかっているんだけど,心は違う,といった意識を持ちますね


このことをテイラーさんは

左右の脳の構造に含まれる心理学的,人格的な違い,と捉えたのです


右脳には右脳の心があり

左脳には左脳の心があり

それらの性質は互いに独立して個性的である,と


右脳の性質について書かれている部分を読んだとき

私はこれまでの私の体験を思ったのです

それは

言葉で説明するのが困難なゲシュタルトのワークを通じての体験や

瞑想で得る感覚と同じだと


もしかしたら,このようなことに興味がなくても

脳卒中からの回復過程,介護に役立つ実践書としてだけでも

十分に価値のある本だと思います

文庫にも収納されました。


奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき (新潮文庫)/ジル・ボルト テイラー
¥680
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