Gordon Wheeler Ph.dの講義から② | ハートフリースペースのSimple days

ハートフリースペースのSimple days

心と体はひとつです。体が不調な時、心は何かを訴えている。 心が不調な時、体は何かを訴えている。
心と体に耳を澄ませて、ラクに、シンプルに生きることを大切にしませんか。

人間の脳の働きは

pregnancy 豊潤な想像力あるいは創造力


 なぜならば、とゴードンは続けます


≪プロセスは常に全体像を創ろうと

構成的、統合的に機能している


なぜなら

自然界には圧倒的な量のもの(刺激)が存在しており

これらをいちいち

バラバラに知覚していては息をつく暇もない


すべてを吸収するのではなく

パターンを構築して吸収しなければ

(圧倒的な量の刺激の中では)生きられないのである




ゲシュタルトセラピーは

これを(この機能を説いたゲシュタルト心理学を)

心理的側面に発展させた


人間は他者との関係性(relational)の体験によって

脳内神経細胞に

ネットワークが形成されてパターンをつくる


ゲシュタルトセラピーは

この構築したパターンを壊していくのである




脳内神経細胞のネットワークは

変化しやすい複雑さ(complexity)を持っている


その体験において

他者との関係性がどのようなものか

によってパターンは変化する




例えば、赤ん坊は不快を感じると泣く

このときに

世話をされる(他者からサポートを得る)体験をすると

自分の不快感情・感覚と

その対処方法のパターンが発達する


脳内でミラーニューロンとネットワークができるからだ


(ミラーニューロンとは

言語や行動の獲得と関係するといわれる脳神経細胞で

共感との関連性を示唆する説もある)




しかし

泣いても放って置かれた(サポートを得られない)とき

ミラーニューロンとネットワークはつながらない

(対処方法のネットワークはつくられない)


対処方法が発達しないままパターンが構築される


この脳内ネットワークは

早期の体験ほど深くなるといわれていて

新しい出来事にも同じパターンを使い続けてしまうのである。≫





少し補足すると

泣いてもサポートが得られないとき

その赤ちゃんは泣くのをやめて

絶望するかもしれませんね


この「不快な感覚を感じたら泣かない、絶望する」

というパターンがつくられると

大人になっても使い続けてしまうというわけです

例えばいじめにあって苦しいとき

誰にも相談しない

助けを求めないで絶望してしまう、というように




≪ゲシュタルトセラピーで

今は役に立たないパターンを壊すとき

その状況に他者を入れる

関係性を取り入れていくことをする


その体験が

ミラーニューロンと関わってくる

つまり

脳に新しいネットワークをつくっていくのである


他者との関係性、サポートを得られたときに

つくられるパターンは


柔軟で

創造的(creativity

学びのある

成長するパターンである


サポートを得ずにつくられるパターンは

硬直していて

いつも同じパターンの

凍りついたゲシュタルトなのである。≫





神経科学に関心の深いゴードンの講義は

少し難しかったかもしれませんが

ゴードンが言いたいのは


人間は他者のサポートを得ることで

創造的に生きることができるようになる

ということだと私は受け止めています


そして

ゲシュタルトを学ぶ過程

ゲシュタルトセラピーの過程は

まさにその体験を重ねることでもあるのです