再決断療法について(1) (2) からお読み下さい。
前回はどんなふうに決断をするのかについて事例を書きました。
ずいぶん間が開いてしまいましたね。
ごめんなさい。
関心のある方のためにテーマを分けて保存する事にしました。
今日は現在の心の反応から、どのように決断を見つけるのか
について書いてみようと思います。
再決断療法では原則として感情からアプローチしていきます。
現在起こっている辛い状況、うまくいかない状況の中で
どんな感情・感覚があるのかを感じていきます。
今-ここの感情・感覚に気づくと
心(体)に記憶されている過去の同じ感情・感覚が浮上します。
これが決断した場面に結びつきます。
思い出そうとしてもわからないのです。
何故なら、決断した時とまったく同じ状況というのはあり得ないからです。
時が違う、相手が違う、状況が違う、私自身も変化しているのですから。
意識では結びつきようがないのですね。
感情というのは過去の記憶と結びついているといわれます。
そして記憶というのは、可塑性があるということがわかっています。
空気枕は指で押したらへこむけど
指を離したら元の形に戻りますよね。
そば殻枕は指を離してもへこんだままでしょう?
記憶というのはへこんだままなんですね。
前回書いたIさんの例で言うと
パパに話しかけた→怒鳴られた→怖かった
が記憶されているわけです。
現在、誰かに話しかけようとすると
この記憶を引っ張り出すわけですね。
だから怖いわけです。
意識では現在の目の前の相手が怖いはずがないから
何故かわからないけど話しかけられない
人に話しかけるのが苦手
という行動パターンを繰り返します。
Iさんは怖いという感情に気づくことで
その感情が結びついている記憶の場面(決断)を
見つけることができるのです。
私たちの思考は
(状況から考えて)怖いわけではないと思い込んでしまいます。
ですから今-ここで感情・感覚に気づくことが
問題解決への大きな一歩になります。