前回は決断がどういうものかを簡単にお話しました。
今回はどんなふうに決断するのかをお話しましょう。
Iさんは人に話しかけることが苦手です。
話しかけたいことがあっても、最初の一声がなかなか出ません。
相手が話しかけてくれたらいいんですけど!
Iさんのお父さんはよく怒る人でした。
好きな野球チームが負けると、不機嫌になって怒ります。
何か気に入らないことがあると怒鳴ります。
人には手を上げませんが、物には当たります。
小さなIちゃんは、パパに話したいことがいっぱいあります。
ねぇねぇ、あのね・・・
でも不機嫌な時にうっかり話しかけたら怒鳴られます。
Iちゃんは怖くて怖くてどうしていいかわかりません。
Iちゃんにはパパがなぜ機嫌が悪いのか、よくわかりません。
Iちゃんはこう決断しました。
パパに近づくと怖い思いをする。危険だ。
人は危険だ。
人に近づいてはいけない。
そして話しかけるときは話しかけても大丈夫かどうか探ろう。
Iさんはこの決断にしたがってきたのです。
だから、人に話しかけようとするとき
相手の様子を見ては
忙しいかな?話したいかな?嫌がらないかな?
心が身構えて、逡巡してしまうのですね。
決断の多くは幼少期にされるといわれています。
だいたい16歳ごろまでには
ほとんどの自分のやり方を決断をしているといわれます。
再決断療法では
決断した場面で我慢した本当の気持ちに気づいていきます。
過去を振り返るのではなく、今ここで体験します。
今ここで本当の気持ちや欲求を表現することによって
心と体が一致して本来の自分らしさを取り戻します。
本当はどうしたいのか?
新しい決断を選んでいくことができるのですね。