「「お金は歴史で儲けなさい」加谷珪一 著 朝日新書」 

「日本経済はバブル崩壊後、長期のデフレに直面し、銀行の不良債権問題がヤマ場を迎えた頃、株価指数はピーク時の4分の1近くの水準まで下落した。不幸なことに大震災が重なっていたこともあり、日本経済は想像以上に疲弊していたのである。  その後、日銀が国債を引き受け、市場に大量にマネーを供給する政策に転換したことから、日本経済は復活。株価も順調に上昇を開始した。だが次第にインフレの影響が強くなり、庶民の生活は思いのほか苦しくなってきている。(kindle14)」

との記述は、「バブル崩壊以後、長期のデフレに悩まされ、東日本大震災を経て、量的緩和策の実施に踏み切った今の日本のことを説明している(kindle19)」と思われるかもしれませんが、全く同じ内容が、大正末期から昭和初期にかけての日本経済に当てはまります。

 

世界恐慌(1929年)をリーマンショック(2008年)に、関東大震災(1923年)を東日本大震災(2011年)に、国債の直接引き受けを異次元の量的緩和策に置き換えれば、その類似は驚くほどです。

 

この本は130年の日本と世界の経済動向を分析して、現在おきていることを解析し、今後起こりうることを推定しています。

 

2015年に書かれた本ですが、9年経った現在のインフレ、円安の状況をきちんと予測し的中させています。

 

この本で指摘されているように、日本はスタグフレーション(物価は上がるが給料は上がらない)の局面になっていく可能性もあるでしょう。いや、もうなっているかも・・・。

 

そして、アメリカは、当面順調に経済成長していくように見えます。

 

ただ、これからの世界は、これまでと全く違う展開になることもあり得るでしょう。

 

この130年、世界はグローバル化の方向で進み、人口は増え続けてきました。

 

今後は、少なくとも人口増のスピードは鈍り、先進国では人口減少に転じ、世界全体も早ければ今世紀後半に人口はピークを迎え、その後減少に転じるとも言われています。唯一先進国で人口が増えるアメリカも、その主要因が移民となると、50年後100年後には、今と全く違う国になっているかもしれません。

 

これまでの資本主義ベースの経済理論が通用しなくなる可能性は高いと、僕は考えています。

 

この本にも暗示されているのですが、今後10年20年で、つまり2040年代あたりまでに画期的なイノベーションが出てくる可能性はあると思います。

 

これは僕の推定ですが、一つは、全く新しい経済理論、つまり人口減少の中での経済成長を視野に入れた理論が出てくると思います。

 

そして、それを可能とするのが、AIの進化と活用、ロボットの実用化でしょう。

 

今のホワイトカラーは、激減するでしょう。例えば、理系出身なのに四則計算ぐらいしかしない人たちは居場所を失うでしょう。文系理系を問わず、自分はゼネラリストと言いながら何も新機軸を提案できない人たちは、AIに取って代わられるでしょう。

残るのは、技術を持った人たち(農民、職人など)やゼロから何かを生み出す人たち(真の意味での研究者、起業家など)かもしれないなどと考えます。

 

これからしばらく、世界の経済は、大変なターニングポイントになると思います。

 

 

 

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