「「歴史を応用する力」 宮城谷昌光 著 中公文庫」 

中国の歴史は、史記などで文字として残されているため、1000年後2000年後3000年後の後世に影響を与えます。

 

孟子は革命を認めているので、後世の革命家はよく『孟子』を読むのだそうです。例えば、「徳川家康も、『孟子』を身近に置いていました。しかし、徳川政権を立てた途端、『孟子』をしまってしまった。自身が家臣に討たれたくなかったからでしょう。(p.108)」とのことなのですが、当時の都市伝説だったとしても、後の世の作り話だったとしても面白い。

 

「文王が、かなりの広さの領土を獲得したにもかかわらず、紂王を討たなかったということが、中国ののちの思想に影響することになりました。(p.106)」と言うわけで、「曹操も、天下取りに比いところまでゆきながらも、呉と蜀の二国を滅ぼさず、また皇帝にもならなかったという点を、評価されている(p.106)」とされていますが、曹操の場合、天下取りに失敗したけれど、そのエクスキューズとして文王を利用したんじゃないかなどと、僕は思ってしまいます。

 

むしろ、毛利元就のエピソードが興味深いです。元就を文王に例えた家臣に対し、元就は、「周の文王にはおまえたちのようにおべっかをつかう家臣はいなかった(p.115)」と答えたのだそうです。諫言をする勇気がなく忖度するばかりの家臣を戒めたのです。

この本を読んでいて嬉しかったのは、宮城谷さんが、最高の軍師のひとりとして張良を挙げていたことです。僕も張良は諸葛孔明より遥かに優れていると思っていました。

 

「張良はそうとうに頭の切れる人です。しかも度胸がある。目のまえの戦いをどう勝つかではなく、長期戦になった場合の見通しもでき、そんなときでも軍をどのように動かしたらよいかがわかる人です。(p.48)」

 

劉邦と項羽の最後の戦いで、停戦をしながら、食糧不足でヘトヘトになっている項羽軍を追撃することを劉邦に進言し実行し、項羽軍を破った冷徹さに凄みを感じます。劉邦が勝つチャンスはあの一瞬にしかなかったし、項羽が天下を取るよりも、劉邦が全国を統一した方が人民にとっては良かっただろうと思います。劉邦が 建てた漢は500年続いたのですから。

 

 

 

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