「心理療法にエビデンス・・・」 

例えば精神疾患については、同じクライアントの診断結果も、診察する側によって違うことがよくあります。ある人はうつと診断し、ある人は複雑性PTSDと診断し、ある人は発達障害と診断することがあります。

 

同じ精神疾患と診断されたとしても、クライアントAさんとBさんでは、家庭環境も生育歴も違うし、性格も異なるのは当たり前です。

 

同じ心理療法でも、アプローチの仕方は微妙に違います。また、心理療法家の能力にも差があります。能力と言っても単に技法を知っているというだけではなく、心理療法家の共感能力にも差があります。

 

そんな状況で、心理療法の効果についての心理療法ごとの効果の差など統計的にきっちりとわり出すことができるのでしょうか?

また、心理療法によっては、比較的統計のとりやすい手法とそうでないものがあります。認知行動などは、同じ資料を使ってホームワークをやってもらうなどしたら、統計はとりやすいかもしれませんが、他の療法ではなかなか難しい。

 

また何をもって治った、改善したと判断するかも難しい。

 

統計処理をすることに意味はないとは言わないけれど、その結果出てきたエビデンスと言われるものは、どんなにサンプリングなどに注意しても、「ふんわりとしたエビデンス」になってしまうのではないか・・・と思います。

 

だから、心理療法の分野で「エビデンスがあるから、◯◯療法が最も効果がある」なんてことは、少なくとも断定的には言えないでしょう。せいぜい言えるのは「◯◯療法は効果がある場合が多そうだけど、他の療法による効果と比べることは困難です。なぜなら、他の療法について、統計処理することが非常に難しいからです」ぐらいなものでしょう。

 

将来的には、「治った」、「改善した」については、生物学的反応を測定するということで、定量的に見ることはできるようになるでしょうけどね。

 

そういえば、最近友人と話していて、「そのうち、日常的に生物学的反応の変化をアップルウォッチみたいなもので測って、うつや不安になることを予防することができるかもしれない。そうなったら、カウンセラーも精神科医もそんなにたくさんいらなくなるかも」なんて思いました。

 

 

 

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