「セラピーの基本的なあり方」 

僕は、オープンダイアローグとは、セラピーの基本的なあり方を示してくれていると思っているんですね。

 

ダイアローグの対等性とポリフォニー(多様性に通じる)と不確実性への耐性は、1対1のセッションでも、専門家たちに必要な姿勢だと思うんですよ。そうした姿勢があってこそ、みなさんご存知の傾聴が可能になり共感が生まれるわけですしね。

 

そのプロセスをオープンにすることによって、クライアントさんが知らないうちに何かが決まってしまうということがなくなるということもあるし、いろいろな考え方感じ方があることを、クライアントさんも専門家側も俯瞰的に見ることができると言うことです。

 

でも、こうしたことは、専門家側は少なくともAuthenticでないと実現しないと僕は思っているわけで、実施に当たっては、専門家の姿勢が問われるなぁと考えています。

 

僕は、オープンダイアローグを「技法」の観点からはそんなに注目してはいないんです。似たアプローチは過去にもありましたし。むしろ、「専門家の姿勢」の観点から注目しているんです。

 

そういうわけで、「オープンダイアローグ」を精神療法の技法的観点から効果があるかどうかを調査することに、そんなに意味があるのかなぁ?と思うんですね。

 

そもそも、心理療法の領域って、専門家毎のスキルの差もあるし、クライアントさん患者さんの病理の状況や環境も違うし、なかなか「エビデンス」は出しにくい分野だと思うんです。

 

僕は、元工学屋だから感じるのかもしれないけど、工学の分野では、数値的にかなりはっきり測定できるものを扱っていたので、それに比べると、心理の分野のエビデンスって相当難しいよなぁと考えてしまいます。

 

僕自身は、例えばセッションを振り返るときに、「ちゃんと対等な姿勢でポリフォニーの状態を受け入れ、慌てて無理に結論を出そうとしてはいなかっただろうか?」「クライアントさんが知らないうちに余計なことをしていないだろうか?」などのチェックとしてもOD の考え方は、重宝しています。

 

森川先生のあげておられる「力の強い側が意思決定する、それはやめよう、民主的で、一人ではなく複数の人と開かれた対話をしながらより良いことを一緒に見つけようなどの民主的なプロセスをオープンダイアローグは大切にする。」という点に、僕はとても感動したんですよね。そこから、僕のオープンダイアローグに対する興味がはじまったとも言えます。

 

その「感動」と「エビデンス」は、なんかカテゴリーが違う話題のような気がします。

 

 

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