「ははーっ、帝大生様」
朝ドラを見ていて、「はて?」と思ったのが、明治大学がモデルとなっているらしい明律大学生が、帝大生に対して、「なんか、僕たち敵いません」みたいな雰囲気を出していたことです。
時代が昭和の最初の頃1930年代なので、そもそも大学という制度ができてからそんなに日にちが経っていない。
で、ちょっと調べてみました。
東京大学:創立1877年
明治大学:創立1881年
たいして差はないじゃないの!!??
じゃあ、というわけでもう少し調べてみたら・・・、
京都大学:創立1897年・・・なんだなんだ!?結構新参者?
早稲田大学:創立1882年・・・明大より遅いけど、京大よりはだいぶ早い。
慶應義塾:1858年!!!・・・なんと!一番伝統あるんじゃないかい!?
日本って、あっという間に根拠があやふやなままヒエラルキーができて、それが固定しちゃうんですかねぇ?
しかも、あんまり根拠がない。国が主体になっていると、それだけで強いんですかね?「はは〜っ、お代官様!」という精神が明治維新以降もずっとあったのかな?
アメリカにいた時、確かにハーバードはすごいとはみなさん思っているのでしょうけれど、日本みたいな序列はありませんでした。スタンフォードやUCバークレーやシカゴやミシガンやMITやカルテックなどの学生は、自分たちがハーバードより劣っているなんて全く考えていないと思います。
僕は、CIIS という臨床心理と哲学の小さな大学院の留学生でしたが、先生たちは「君たちはサイコーだ!」みたいなことをよく言っていました。マイケル・カーンという有名教授は、「君たちは、ハーバードやシカゴより遥かにハードな教育を受けている」と言っていました。彼は、確かハーバード出身でシカゴやUC校で教えていたことがありました。実際勉強はチョーキツかったですし、僕らは、他の有名校?に対して引け目を感じるということはありません。また、先生たちからは「君たちの将来の活躍でCIISの歴史を作っていくのだから、しっかり持てる力を発揮していってほしい」とよく言われました。これ、いろいろな大学・大学院で先生たちが学生にかける言葉みたいです。
資本力が全く違うので、日本から見ると、ハツカネズミ(CIIS)が、ゾウさん(ハーバードなどの巨大資本の有名校)に対してエラソーに話ているみたいな感じに見えるのかもしれませんが、それは現実と違います。
例えば、アメリカにスワースモア(Swarthmore College)という大学があります。一学年350人程度の少数精鋭教育で有名なリベラルアーツの大学で、教員も学生も誇りを持って堂々と自分の考えを主張しているのを見たことがあります。ちなみに、スワースモア大学は出身者の中からノーベル賞受賞者が5人出ていました。(まあ、ノーベル賞受賞者を出してるからすごい!となるとまた違うと思いますが・・)
ハツカネズミは誇りを持って主張しますし、ゾウさんは、ちゃんとハツカネズミの主張にに耳を傾け、対等にディスカッションするんです。そして、それが欧米の文化です。
まあ、そういうわけで、CIIS出身者で、超有名巨大大学に劣等感を持つ人はいなかったですね。大学や大学院の選び方は、「どんなことを勉強したいのか?」が判断基準になります。
CIIS出身で超優秀な人もいたし、ダメな人もいました。卒業できなかった人もたくさんいました。提供してくれた教育は素晴らしかったけれど、それを自分のものにするかどうかは個人個人だということです。それは、ハーバードでもケンブリッジでも東大でも明大でもどこの大学でも同じでしょう。
入学時の偏差値とかを根拠とした変な形ばかりのヒエラルキーはぶっ壊しちゃえばいい。
ちなみに、アメリカの大学院に留学する場合、どこの大学出身なんて問われません。大学の成績が平均B以上だったら、多くの大学院の入試の足切りに引っ掛かりません。
足切りに引っ掛からなければ、論文やテストでいい点を取り、面接でちゃんと自分の考えを語れれば受かる可能性はあります。ちなみに僕の場合、大学の成績は、足切りギリギリでした。
実際、日本で偏差値がイマイチと言われている大学出身者が、アメリカの一流校で博士号をとったなんていう例はいくつもあります。日本が窮屈だったら、海外に出ちゃえばいい。
でも、今の円安だとねぇ・・・。そこは問題だ。
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